徘徊対策の現状
88歳、認知症が進んできたAさん。
ベッドに差し込んで据え付けるタイプの手すりをレンタル中。
枕元(ヘッドボード際)に設置されていた。
部屋の中に入って、ベッドにたどり着くための誘導 の意味合いでは
うまく利用されている。
けれど、起き上がり・立ち上り時には その手すりを使うことなく、
両手でマットを押さえて よっこ~らしょっ!!
手首がぐらぐらするぐらい 力が入っている。
少し、足もと側にずらしてみた。
ご家族が、「お母さん~ここ、ここを持つんやで~」と説明して下さった。
「はぁ~??」と 全然聞いていない。
ベッドに座る。
立ち上がる時、自然に手が伸び、その手すりを持って 支えて立ちはった。
ベッドに上がる時。
・・・・持って、向き変えて、上がった。
起き上がりしな、手を伸ばすと 手すりに触れ 握って引っ張って 起き上がった。
そこに手すりがあるから持った というよりは、
体の動きが先で、その流れの中に手すりがいた・・・という感じかな。
うまく、使えそう。
住宅改修での手すりも、福祉用具としての手すりや杖なども
本来は 使い方を教えて使うものではない と思う。
その人の体の動きを 自然に そっとサポートするもの。
人が 介助する動きも 相手に合わせて 行うもの。
一度で ベストな位置が決まるものではないし、ずっとその位置がいいものでもない。
日常の中で 動きを見る。
朝、昼、夜、それぞれの時間帯。
体調にもよる。
トイレなどで 大急ぎな時もある。
起き抜けで ぼーっとしてる時もある。
暮らしの中の福祉用具。
その役割を また改めて考える。