経営コンサルタント業界の光と影:成功するための深い考察

財田和典

財田和典

テーマ:転職活動

こんにちは。「専門家を使う専門家」のコラムの翻訳者、えりかです。

今回のコラムでは、“経営コンサルタント会社への転職を考える時”のお話です。
このコラムの大きなポイントは、“経営コンサルタント会社の影の実状を深く理解する”ということです。
今回のコラムは、私たちがシニアの方で経営コンサルタント会社への転職を考えておられる方からご相談を受けたことがきっかけになりました。



それでは専門家を活用する専門家の話が始まります。
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旧帝国大学のご卒業で、総合電機メーカーの子会社社長を歴任されたという華々しいご経歴をお持ちの方から「経営コンサルティング会社への転職を希望する。」とのご相談を受けました。これまでのご経験から、卓越した専門知識とリーダーシップ、そして高い人間力を備えられていることは間違いありません。大変興味深くお聞きしました。

しかし、経営コンサルタント業界には、魅力的な側面=”光”と同時に、避けて通れないいくつかの課題=”影”が存在します。特に影の実情を深くご理解頂き、ご自身のブランド価値(今回の方は歴史ある企業でのご経験や、理系の大学院での高い学術的背景をお持ちの方です。)を再認識されて経営コンサルタント会社でのキャリアを選択する際には、慎重に検討することが重要です。
それでは、
経営コンサルタント会社の特質と課題について下記、「影の実状」とその「解説」として述べます。

1.社内の助け合いが希薄な文化
影の実状:相互に助け合いの気持ちがない。俺が俺がという押しの強さが無いとコンサルティングの仕事が回ってこないからです。
解説:経営コンサルタント会社では、相互に助け合う文化が乏しい場合があります。多くの業務が個人の成果に依存するため、「俺が俺が」という押しの強さが必要とされます。このような環境は、協調性を重視する方や、助け合いを大切にされる方には適さない可能性があります。

2.心理的安全性の欠如
影の実状:経営コンサルタント会社の中には、いわゆる商品としてのモノやサービスが存在しない。経営コンサルタント会社の商品は人間そのものなので、一般の会社なら何か不具合があった場合は、そこの製品・サービスに対して直撃弾としての指摘はあるが、そこで働いている人間については至近弾での指摘ですみ、人間自体に直撃弾の指摘がないので人間関係が保たれている。しかし、経営コンサルタント会社は人間自体に対して直撃弾での指導になるので人間関係が崩れやすい、すなわち心理的安全性がない職場である。
解説:一般の企業では、不具合があれば製品やサービスに焦点が当たりますが、経営コンサルタント会社では商品が「人間そのもの」であるため、直接的な指摘が個人に向けられます。このため、人間関係が崩れやすく、心理的安全性が確保されにくい職場環境である点に注意が必要です。

3.社内営業の重要性
影の実状:先に述べたように商品イコール人間なので社内の他の人間よりも自分が目立つようにしないと仕事が得られないので社内営業に力を入れざるを得ない。
解説:経営コンサルタント会社では、顧客企業に価値を提供する以前に、社内での地位を確立し、他のコンサルタントよりも自分を目立たせる必要があります。これにより、本来のコンサルティング業務以外にも多大なエネルギーを割かなければならない場合があります。

4.社内競争の過熱
影の実状:経営コンサルタント会社は外には敵はいない。競合先はあっても経営コンサルタント会社の指導先の顧客企業は「ご指導をお願いします。」と言う意思で経営コンサルタント会社を活用するので敵として存在はせず、大きな味方である。しかし経営コンサルタント会社の中の社内には同じコンサルタントという敵がいて、味方である顧客企業に指導に行っている間も、後ろから物をなげてきたり、足を引っ張ってきたりする。
解説:外部顧客は経営コンサルタント会社を信頼し、指導を求めてきますが、社内では同僚同士が競争相手になる場合があります。これにより、社内での足の引っ張り合いや不和が生じるリスクがあります。

5.学校歴の不一致とその影響
影の実状:学歴よりも学校歴が良くない人物もいて、経営という鳥瞰的に物事を取られて判断する基礎学力にかけているので偏った改善案を出すことが多く、顧客企業はそれをわからずに受け入れて成果が出ないこともある。顧客企業のメンバーより圧倒的に学校歴が良くない人物が指導していることは不合理であるがまかり通っているので学校歴の良い人材が淘汰されてしまう。
解説:コンサルタントには学歴よりも実績や能力が重要視されるべきですが、時には学校歴が不足している人物が鳥瞰的で適切な提案を行えない場合もあります。このような提案が顧客企業で採用され、成果が出ないリスクがあることも否めません。

個人としてのコンサルティング活動の推奨

これらの特質を踏まえると、特に旧帝国大学クラスの理系大学院で高度な学術的訓練を受け、総合電機メーカーで経営の経験を積み、さらに子会社の社長を務められたような方には、経営コンサルタント会社に所属するよりも、個人として独立した形でコンサルティング活動を行うことをお勧めします。

独立したコンサルタントとして活動することで、以下のメリットが得られます:

1.自分のスタイルや価値観に基づいた業務の遂行が可能。
2.社内営業や社内競争に煩わされることなく、純粋に顧客に価値を提供できる。
3.高い学術的背景や経営経験を最大限に活かし、自分自身のブランドを確立できる。


終わりに

経営コンサルタント会社への転職を検討する際には、その特質や課題を十分に理解した上で、ご自身の価値観やキャリア目標に照らし合わせて判断することが重要です。特に優れた実績や経験をお持ちの方には、独立した活動の可能性を探ることで、より充実したキャリアを築ける道が開けるでしょう。

ご心配な点は「個人では仕事が取れないのでは?」「何か問題点に突き当たったときに相談相手がいないので一人で悩まないといけないのか。」などがあると思います。
ご安心ください!私たちの「技神」事業では、これらをサポートしています。

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財田和典
専門家

財田和典(経営コンサルタント)

株式会社リンクウィル

企業の課題とそれを解決できる専門家をご紹介。経験に基づいたノウハウで、双方の特性を見出し〝ブレンド″することにより、両者が満足する「企業ニーズと人材のマスターブレンダー」として日々研鑽に務めています。

財田和典プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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