コンサルタントの特質とうまく活用するノウハウ
こんにちは。「専門家を使う専門家」のコラムの翻訳者、えりかです。
今回のコラムでは、“コンサルティング提案書”ついてのお話です。
このコラムの大きなポイントは、“企業の経営コンサルタントの提案書と、ChatGPTが回答する提案書は違うのか”ということです。
また、そこに“具体的な解決方法がある”ことが大切です。
さて、専門家を使う専門家の話が始まります。
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いよいよ核心に迫るテーマです。
企業が経営コンサルタントに予備診断をお願いすると、その結果、問題点と改善指導についての提案書がでてきます。一見、かなりのボリュームでしかも「これだけの内容を指導してくれるなら頼もうか。」となるのですが、ちょっと待ってください。同じことを経営者としてChatGPTに質問してみましょう。
今回は「購買改革」をテーマにしました。診断結果をお読み頂ければ、皆様の会社でも似たようなことがありませんか。
以下は、ChatGPTでのそのやり取りです。
User
当社は産業用機械メーカーです。現在、取り組もうとしている「購買改革プロジェクト」の実態把握を経営コンサルタントにお願いしました。下記はその時に経営コンサルタントが使った実態把握の項目とその診断結果です。これに基づいて、経営コンサルタントが問題点を整理して、6ヶ月の指導期間でのコンサルティングの指導プログラムとその内容を提案していただけるのですが、その内容が妥当かどうかの判断ができないのでChatGPTに同じ提案をお願いします。
1.購買改革プロジェクト
・具体的な進め方や手法が明確になっていない
・プロジェクトメンバー、担当部門間の連携・つながりが不明確。
・取引先や対象製品・部品に対して、何故、この数字をターゲット目標値とするのかのブレークダウンが不明確。
・改革テーマごとの推進体制が不明確。
2.購買方針・戦略・政策
・方針や戦略はきれいに描かれているが、実務での具体的行動レベルの施策にまでは落ちていない。「絵にかいた餅」になる可能性がある。
3.購買体制
・調達部門だけでなく、設計、製造、物流などの会社全体を統括する機能が弱い
・コスト査定、コスト管理機能の強化を要する。
4.取引先選定
・取引先数が毎年増えているが、その内容は小口取引先の増加であり、購買部門の業務負荷増になっている。反面、取引先の集約がなされていない。取引先の選定基準の見直しが必要である。
・海外調達は日系企業が主体であり、現地部品メーカーの開拓ができていない。
5.購入コスト基準
・コスト査定は、設計部門で行っているが、そのコスト基準は以前からのままであり、ブラッシュアップされていないので、現状の実態に合わない。
・調達部としてのコストを査定する機能がなく、購入コスト基準もないのでコスト査定は属人的に運用されている。
6.購入価格決定
・価格の交渉・決定方法は、相見積りや過去の類似品との価格での比較であり、いったいいくらで作られているのかについてのコストを考えた査定ができていない。
・設計部門では新製品開発時にコスト査定を行っているが、その時点で調達先との価格としてほぼ決められてしまい、調達部門では価格交渉できない状態になっている。
7.原価管理
・標準原価の設定は、過去の実績値がベースであり、それが現在、妥当かどうかの判断ができていない。
8.コストダウン活動
・購入品、外注品、副資材全て、「一割負けてください。」というお願い商談である。
・コスト分析が不足している
・せっかく一部対象品にてVEを推進しているが、他品目への水平展開ができていない。
・サプライヤーからのVE提案は、調達部門が社内のノルマ達成をお願いしてやっと出てくる程度であり、積極的に提案されていない。
9.技談・商談
・お願い商談に頼り、サプライヤーを納得させられる科学的な商談技術が使われていない。
10.業務効率
・業務内容は、納期管理に追われており、いわゆる「守りの購買」である。開発購買や情報購買などの「攻めの購買」の部分がほとんどない。
11.購入先の適正化
・これまで実績のある取引先の依存度が高い。
・新規取引先の開拓ができていない。
12.購買人材
・設計部門から「片道切符」で調達部に送りだされた人員が多く、モチベーションが維持できていない。
・管理職の高齢化が進んでいて、購買技術の伝承ができていない。
・調達部にはコストの査定がこれまでなされていないので、コスト査定のできる人が少ない 。
13.コスト意識
・コストリダクションを必ず達成すると言うコスト意識が薄い。
・コスト明細を含めコスト構造の把握ができていないので、調達先に対して何の情報を取得すべきかについてわからない状態であるので、強いコスト交渉ができないでいる。
User
提案書としてまとめてください。
ChatGPT
経営コンサルタントによる購買改革プロジェクトの指導プログラム提案書
尊敬するお客様へ、
当社は産業用機械メーカーの購買改革プロジェクトの実態把握を行い、その結果をもとに以下の指導プログラムを提案いたします。これらのプログラムは、6ヶ月の指導期間を通じて問題点を解決し、効果的な購買体制を構築するためのものです。
購買改革プロジェクト
具体的な進め方や手法の明確化:プロジェクトの目標やスコープを定義し、プロジェクトメンバーに対して明確な指示とガイドラインを提供します。
部門間連携の強化:プロジェクトメンバーと関係部門のコミュニケーションと協力を促進し、連携の不明確さを解消します。
ターゲット目標値のブレークダウン:取引先や対象製品・部品に関する数字の背景と根拠を明確にし、目標値の設定を正当化します。
改革テーマごとの推進体制の明確化:各改革テーマに対して責任者や推進グループを設置し、推進体制を明確にします。
購買方針・戦略・政策
具体的行動レベルの施策への落とし込み:方針や戦略を実務での具体的な施策に繋げるためのアクションプランを策定します。
絵に描いた餅の回避:戦略の実行可能性を確保するために、現実的な目標と行動計画の策定に努めます。
購買体制
機能の統括強化:調達部門に加えて、設計、製造、物流などの会社全体を統括する機能を強化します。
コスト査定と管理機能の強化:コスト査定およびコスト管理のためのプロセスやツールを導入し、効果的なコスト管理体制を整えます。
取引先選定
取引先の見直しと集約:取引先数の増加に対処するため、取引先の見直しを行い、効率的な取引先の集約を促進します。
海外調達の拡大:現地部品メーカーの開拓を支援し、海外調達の多様化を図ります。
購入コスト基準
コスト査定の改善:設計部門でのコスト査定基準を現状に合わせて見直し、正確なコスト評価を行います。
調達部のコスト管理機能強化:コスト査定と購入コスト基準を確立し、効果的なコスト管理体制を構築します。
購入価格決定
経済的な価格決定手法の導入:相見積りや過去の類似品との価格比較に加えて、製品の実際のコストを考慮した査定手法を導入します。
設計と調達の連携強化:価格交渉の段階で調達部門が活動できるよう、設計部門との連携を強化します。
原価管理
標準原価の見直し:過去の実績値に基づく標準原価を現行の状況に合わせて検証し、適切な見積もりを行います。
コストダウン活動
コスト分析の強化:購入品、外注品、副資材のコスト分析を実施し、コストダウンの機会を特定します。
VE(Value Engineering)の展開:一部対象品におけるVEを他の品目にも展開し、効果的なコスト削減活動を推進します。
サプライヤーからの積極的なVE提案:サプライヤーとのコラボレーションを促し、積極的なVE提案を得るための体制を整えます。
技談・商談
科学的な商談技術の導入:効果的な商談のためのテクニックやアプローチを学び、サプライヤーを納得させる能力を向上させます。
業務プロセスの最適化
購買業務プロセスの改善:業務プロセスの可視化と分析を行い、無駄や瑕疵のある手続きを特定し、効率的なプロセスに改善します。
システムの導入と活用:ERP(Enterprise Resource Planning)システムやe-Procurementツールの導入を検討し、業務の効率化とデータの可視化を促進します。
チームの育成と能力強化
購買チームのスキル強化:購買チームの能力開発プログラムを実施し、コミュニケーション、交渉、プロジェクト管理などのスキルを向上させます。
リーダーシップの育成:管理職やプロジェクトリーダーに対してリーダーシップ開発のトレーニングを提供し、プロジェクトの成功をサポートします。
継続的なモニタリングと改善
効果のモニタリング:改革プロジェクトの進捗と成果を定期的に評価し、目標達成度を確認します。
フィードバックと改善:関係部門や関係者からのフィードバックを収集し、改善点や課題を特定して継続的な改善を推進します。
以上が、当社が提案する購買改革プロジェクトの指導プログラムです。このプログラムを通じて、お客様の購買体制を強化し、効果的なコスト管理と優れた取引先選定を実現することができると確信しています。もし興味をお持ちいただけましたら、詳細なプランの説明やカスタマイズについてもお話しさせていただければと思います。
何かご質問やご要望がありましたら、いつでもお知らせください。
更に細かい質問をしました。
User
以上の内容について、外部の支援を仰ぎたいが、経営コンサルタント、技術コンサルタント、シニアの技術者のそれぞれの活用部分を教えてください。
ChatGPT
外部の支援を受ける際に、経営コンサルタント、技術コンサルタント、シニアの技術者をどのように活用するかについて説明します。
経営コンサルタントの活用:
経営戦略の策定と実行支援:経営コンサルタントは経営戦略に関する豊富な知識と経験を持っており、購買改革プロジェクトの戦略的な方向性を提案します。彼らは具体的な進め方や手法を明確化し、プロジェクトのビジョンと目標を定義するのに役立ちます。
プロジェクトマネジメント:経営コンサルタントはプロジェクト全体の管理と進行をサポートします。彼らはプロジェクトメンバーや担当部門との連携を促進し、プロジェクトのスケジュール、予算、リソースの管理を行います。
技術コンサルタントの活用:
購買戦略と調達プロセスの設計:技術コンサルタントは産業機械に関する専門知識を持ち、製品や部品の調達戦略を策定するのに役立ちます。彼らは適切な取引先の選定基準や品質管理の観点から助言を提供し、調達プロセスの設計を支援します。
技術的な課題の解決:技術コンサルタントは技術的な課題に対する解決策を提供します。例えば、製品の設計改善やコスト削減のための提案、新たな技術や材料の導入などの支援を行います。
シニアの技術者の活用:
技術的な知識と経験の活用:シニアの技術者は幅広い経験を持ち、深い専門知識を有しています。彼らは具体的な技術的な課題や製品の評価に関して重要な役割を果たします。また、製品の品質管理や技術的な交渉においても貴重なサポートを提供します。
チームメンバーの指導と育成:シニアの技術者は若手メンバーの指導と育成に重要な役割を果たします。彼らは自身の経験と知識を共有し、若手メンバーのスキル向上や成長を支援します。特に、調達部門におけるコスト査定や価格交渉の技術を伝えることで、チーム全体のパフォーマンス向上に貢献します。
経営コンサルタント、技術コンサルタント、シニアの技術者のそれぞれの活用部分は以下のようになります:
経営コンサルタント:
購買改革プロジェクトの戦略策定と実行支援
プロジェクトマネジメントと進行管理
技術コンサルタント:
購買戦略と調達プロセスの設計
技術的な課題の解決
シニアの技術者:
技術的な知識と経験の活用
チームメンバーの指導と育成
これらの外部支援を活用することで、購買改革プロジェクトの実現に向けた包括的なサポートを受けることができます。それぞれの専門分野と経験を活かし、問題解決やプロジェクトの成功に向けた指導とアドバイスを提供してもらいましょう。
如何でしょうか。
ChatGPTが回答した経営コンサルタントの提案は、かなり上位の経営コンサルタントが作成した内容と言えます。しかしながら、「何々を何々する。」と言いながら、「やるのはお客様企業のメンバーであり、経営コンサルタントはあくまでも支援であり、企業がやったかどうかの管理をするマネジメントですよ。」と言う思想まで提案しています。
ある経営者の方がおっしゃるには、「経営コンサルタントの言われることについては、本来は企業側でマネジメントすべきではないでしょうか。」「むしろそのために具体的にどのように実行するのか。」について教えていただけないのか。」などのご相談がありました。
まさにその部分は、「技神」の役割であり出番です。
経営課題についてのChatGPTを含む外部の活用については、下記宛にお願いいたします。
★お問い合わせ
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