インドビジネス支援でのコンサルタント選定でつまづかないために~7つのチェックポイント~

財田和典

財田和典

テーマ:インドビジネス

新年あけましておめでとうございます。
「専門家を使う専門家」のコラムの翻訳者、えりかです。



2023年第一回目の今回のコラムでは、“インドビジネス支援”についてのお話です。
このコラムの大きなポイントは、“インド進出を考える際の確認内容”です。
そこで、インドビジネス支援を外部コンサルタントに頼む際に気を付けるポイント、を確認することが重要です。



それでは、専門家を使う専門家の話が始まります。
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新年の新しい事業として「インドビジネス支援」を再起動します。
12年前、前職の経営コンサルタント会社でスカウトしたインドの経営コンサルタント会社出身のY氏とは、当時、建設機械メーカーのインド現地での調達先開拓、フォークリフトメーカーのインド市場での北部以外の東部・南部・西部に渡るマーケテイング調査 等、多岐に渡りインド現地での調査を行いました。

しかしながら、今、思い出すに「10年早かった。」と言う印象です。
その理由は、外的要因として、顧客企業がまだインド進出については潜在ニーズのレベルであったこと。また、世界でのインドの地位、経済の位置づけもそんなに高くなかったと思います。
内的要因としては、経営コンサルタント会社にとっては「新しいサービス」であったこと。「企業の変革を支援するのがコンサルタント」でありますが、反面、「自らの改革についてはかなり保守的、守りの姿勢がコンサルタント」であったことです。当時のあるコンサルタントからの発言、「インドと言ってもカレーぐらいしかみんな知らないよね。そんな事業やって売れるの?」という不思議な考えを言われました。他国をその国の食べ物で印象評価することは、その国を尊敬しているようには見えません。他国を理解するのは人間である限り、その国の考え方を理解することです。このコンサルタントにはインドビジネス支援はシナジー効果よりも脅威と映ったようです。更に追い打ちをかけるように、「あなたのやっているインドビジネス支援は誰も売れない。」ということも言われました。売れないではなく、「売っても自分たちの仕事にプラスにならない。」もっと言えば、「インドビジネス支援に私のコンサルティングはついていけない。だからそんな事業は止めてほしい。」と言うのが本音だったようです。

さあ、それから10年経ちました。昨今は、インドについての記事が多くなり、
・インドの人口は2023年に世界一になる。(国連の世界人口推計2022より)
・GDPで2027年に日本を抜き世界3位になる。(各種統計より)
・IT分野で世界的大手としての躍進(カースト制度の制約がない新しい職業である)
・半導体産業育成に政府の多額補助金が投入。


など、国としての成長性が続々と述べられています。
このため、いろいろなコンサルタント会社が「インドビジネス支援」を掲げ、売り物としています。
そこで「インドビジネス支援」をコンサルタント会社に依頼するときの失敗が無いように、インド進出についてのつまづき防止の為のチェックすべきことを記していきます。

インドビジネス支援を標榜しているコンサルタントに質問すべき事項として、
1.インドで何のビジネスで滞在していたのか、その実績とその仕事の中身を聞く。
・よくあるのは、日本国内の不動産会社が海外に出先を構え、日本企業に対してその国の不動産の購入を勧めるためにサービスとしてその国の情報を提供したり、その他、進出されるときのサポートをする例。「中国進出支援」でよく行われていた例です。
しかしこれでは、特定の偏った情報の提供による混乱が生じます。また、彼らの最終成果物は「その国での事業の企画書」なのか「不動産の販売」なのか、わからなくなりますね。大事なことは、あなたの会社が何を事業としてインドで展開するか、その事業にふさわしい経験があるコンサルタントを選ぶことです。例えば、インドで現地での部品の調達を依頼するのには、当然ながら図面が読め、コスト構成も理解し、しかも現地の現場に入って、そのレベル感がつかめる人間でないとダメですね。不動産の評価額を依頼するのではないのですから。

2.インドでの支援人脈のネットワーク図を出すように要請し、その人たちとの関係年数も問う。
・ここがインドビジネスでのキーポイントです。インドの財閥系企業の第2世代、第3世代の者には、多様性を受け入れる素地を持った者が多く、新たな機会(Opportunity)を提供する者を大事にする傾向がある。ビジネスの場面では、人的因果関係を重視するため、信用を得て彼らのルートの中に入り込んでいる人材は、彼らとのコネクションが強く、日本企業のインドビジネス戦略において非常に重要な要素と言えるので、それが本当かどうかをネットワーク図で確認をすることです。

3. 欧米、中国でビジネスの成功体験を聞く。
誇らしげに成功体験を話すコンサルタントは、欧米、中国のやり方をそのままインドに持ち込めば成功すると思っている可能性があります。このような方は避けるのが賢明です。

4.日本の常識が正しい、インドの常識は正しくないと言う価値観を持っていないか。
・常識は国ごとに異なります。その点を理解していないコンサルタントは避けた方がいいでしょう。

5.インドの地政学リスク、ひいては歴史を変にかじって、自称インドの専門家と称していないか。
・インドについて勉強していることは大事ですが、インド現地での経験が無いと絵にかいた餅になります。

6.インドでの経験が無いが、「どうしたらインドで成功できるか」を考えることはでき、その指導については自信があると自認しているコンサルタント。
・「できる」と「やったことがある。」は全く違います。これはこれまでのコラムで何回も発信してきたことです。

7.そもそもインドが好きな人間なのかを問う。
・インドに対して愛着があるかどうか。インドで仕事も含めた友達がいるのか。「インドは日本より衛生的に良くないので、できれば行きたくない。インド現地での調査は、日本からのリモートでやればよい。現地とはWeb会議で行えばだいたいわかる。」と言う考えのコンサルタントでは、インドと対面して行っているとは言えません。

如何でしょうか。
インドビジネスをお考えの企業の皆様、外部の支援を頼む場合、この7つの観点をチェックポイントにしてみてください。
インドビジネス支援のホームページは下記をご覧ください。
https://wazagami.com/corona-measures/
インドは歴史のある立派な国です。日本人やその他の国の人間だけでインドビジネスの支援はできません。インド国内で支援頂ける人材を見つけ、彼らを如何に乗せて使えるかにかかっています。
このあたりのご相談については、技神へお問い合わせください。

本件のご相談については、
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 このアドレスへのメール master.no1blender@gmail.com までお願いします。

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財田和典
専門家

財田和典(経営コンサルタント)

株式会社リンクウィル

企業の課題とそれを解決できる専門家をご紹介。経験に基づいたノウハウで、双方の特性を見出し〝ブレンド″することにより、両者が満足する「企業ニーズと人材のマスターブレンダー」として日々研鑽に務めています。

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