固有技術と管理技術の二刀流コンサルはいるのかな?
こんにちは。「専門家を使う専門家」のコラムの翻訳者、えりかです。
今回のコラムでは、“経営コンサルティングの改善効果”についてのお話です。
このコラムの大きなポイントは、“管理技術の改善効果は全体の30%が限界”ということです。
そこで、30%以上にするにはどうするか、を考えることが重要です。
さて、専門家を使う専門家の話が始まります。
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経営コンサルタントを活用される時に、企業側として、定量的な数字目標を掲げてもらうようにコンサルタントに要請したり、場合によってはその数字を成果報酬で契約できないかを打診される場合があるでしょう。
さて、この定量的数字=改善数値ですが、どのくらいの数字が妥当なのかについて、皆様はどうお考えでしょうか。
「せっかく高い金を使って経営コンサルタントに頼むのだから、できるだけ大きな数字を掲げさせた方が良い。」という経営者の皆様の本心はわかりますが、実際に経営コンサルタント側としては限界数字があります。
その限界数字の裏付けをお話しましょう。
あなたの1日の勤務が、朝8時30分から夕方5時30分までの拘束時間9時間とします。その中にお昼ご飯を食べる1時間(12時30分から1時30分)が含まれています。
つまり1日の勤務時間は、8時間です。
ちなみに労働基準法第34条で、労働時間が
6時間を超え、8時間以下の場合は少なくとも45分
8時間を超える場合は、少なくとも1時間
の休憩を与えなければならない、と定めています。この休憩時間が先程のお昼ご飯を食べる1時間となっています。
しかし、これでは誰も勤務しませんし、応募もしてきません。
これ以外に、トイレに行く時間などの生活余裕時間を午前に10分、午後に10分を最低取っているはずです。・・・①生活余裕時間小計20分
更に実際に働いている時間帯にも安全余裕時間と言うのを知らず知らずのうちに取っています。
これは、あまり詰めて仕事をすることにより、いわゆる周りが見えなくなり危険が訪れても気づかなくなってしまいます。もし何かの突発事項が出た場合に回避できるように本能的に人間が調整している時間のことです。例えば、製造現場で息つく暇もなくモノを削っている、品質管理で同じように連続して選別作業をしているなど、あるひとつの仕事に集中して取り組むことは大変素晴らしいことで、それがその仕事の精度を上げることになっているのは事実ですが、度を越した場合、危険回避もできません。また、事務の仕事でパソコンを使っている場合でも、「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」では、パソコンを使った一回の連続作業時間は1時間以内となっています。さらにその1時間の間にも小休止を1〜2回取るべきと定めてあります。ある会社では、「連続作業時間は1時間を越えないように。作業の間に10~15分の休憩を入れよう。」となっています。
つまり製造現場でも事務の現場でも1時間の勤務内に15分前後の仕事内休憩時間を実際には取っているのです。すなわち8時間の中に時間当たり15分の仕事内休憩時間、合計すると15分×8時間=120分を持っています。・・・②
①の生活余裕時間20分+②の安全余裕時間120分=140分です。これを総余裕時間と定義します。
勤務時間全体が8時間=480分としますと、総余裕時間140分は約30%になります。
つまり、管理を徹底して、よく言われる「価値作業だけ行い、無価値作業は排除する。」方法(この事例はあとで記してます。)で改善を行った場合、この総余裕時間内が成果数字の限度=30%になります。ただし、これでは働く人間から見て余裕がゼロになりますので、改善案としては作成できても、実際に現場に降ろして実行してみると歩留まり半分の15%の改善効果になりがちです。
このように管理技術(目標を達成するためにムダを最小にするには何をどのように管理すればよいか。)での改善される数値は30%が限度です。
ところが先日、某大手百貨店ご出身の方にお会いしてびっくりしたことがありました。
この方は婦人服バイヤー、ラグジュアリーバイヤーをご担当されていた時に3年間海外に出張に行かれ、約2000本のファッションショーを視察され、それを商品バイイングに活かし、なんと担当売場の売上高360億円、前年比150%伸長させられました。
つまり改善数値50%を実際にやられています。
どのようにやられたのかをお聞きしますと、同じ店舗、同じ売り場面積、同じ人数の店員、同じ顧客という条件の元で更に売り上げを大幅に伸ばすにはどうしたらよいかについて見出された方法として、海外のファッションショーで学ばれた知見を取り入れ、それを活かして達成されています。(詳細はマル秘と言われています。どんな技なのか興味がありますね。)
これは管理技術による改善ではなく、まさに新しい技術を取り入れられての改革で出された数字です。これまで自社にはなかったファッションショーという中に合った固有技術を吸収された結果だと私は思います。
いかがでしたでしょうか。
事例:「価値作業だけ行い、無価値作業は排除する。」方法
ノコギリで板を切ると言う作業をみてみましょう。
ここでの価値作業(いわゆるお金になる作業)は、「ノコギリをひく」その結果、板が切れるということです。反対に無価値作業とは、「(次の動作でノコギリをひくために)ノコギリを戻す」です。こちらの作業では、何の価値も生みません。
さて、この作業に対して改善案を考えますと、無価値作業を無くせないかが視点であり、結論としては無くせません。ノコギリを戻す(無価値作業)は、ノコギリをひく(価値作業)ために必要であるからです。この作業のままでゴリゴリと改善案を出せと求めますと、ひとつでも多くノコギリをひくことに追い込められて、そのための総余裕時間を削らざるを得なくなります。管理技術での指導では、このような結果になる恐れがあります。
この作業方法以外に新しい知恵は無いでしょうか。そうです、丸ノコという道具を使えば、ノコギリがくるくる回って板を切るので、価値作業だけになり、無価値作業は無くなります。ノコギリをひいている作業だけになり、ノコギリを戻す作業が無くなるからです。この「丸ノコを使う。」と言う、他社、他業界では常識として使われているが、このノコギリでの作業を行っている会社では「目から鱗が落ちる」と言う、これまで全く知らなかった方法を得たことになります。これが、固有技術での指導による改革になります。
(一番喜ばれるのは作業員の方でしょう。生活余裕時間を削らなくてよくなり、これまで以上に仕事の負荷が減ることが期待されますから。)
管理技術での改善数値は30%が限度。それ以上にチャレンジするなら固有技術の導入が必須です。
わたしたちの「技神(わざかみ)」はまさにこの固有技術を提供しています。
ものづくりの技術以外にも、この方のような販売に関する固有技術、あるいは知的財産に関する固有技術などの専門家も抱えています。
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