高低差のある住宅地、傾斜地に家を建てる方法(傾斜地を購入するとき注意すること)
今回から「安全な家」について、神戸、芦屋、西宮の地域性を交えながら、何回かに分けて書いていきたいと思います。
まず、前提として「安全な家つくり」の「安全」とは何かについてですが、これは大きく分けて、以下の5つについて考えてみます。
◆土地が安全であること(液状化など)
◆家が構造的に安全であること(耐震性など)
◆長期的に安全であること(経年劣化、耐久性など)
◆住んでいる人に安全であること
◆防犯に優れていること
今回は、家を建てる土地の安全性についてです。
◆土地が安全であること(液状化などについて)◆
家は土地の上に建っているのですから、どんなに家の強度が高くても、地盤が弱ければ意味がありません。
家を建てる土地を探している方、地盤の状況については、家の購入前に可能な限り情報収集を行いましょう。
購入前でも、建築事務所を通じて調査すればわかる情報もあります。
地盤調査会社との情報交換で、近隣の地盤情報データを入手することが可能な場合もあります。
【参考】建築士がおすすめする土地探し
地域の土地の売買に強い地元専門の不動産屋さんなら、担当者に聞いてみるのも良いかもしれません。
【参考】神戸の建築士から関西で家を建てたいと思っている人へ【1】土地探し編
水害の危険性や土壌汚染の可能性などについても、購入前に不動産屋さんに確認しておきましょう。
土壌汚染は、法律により告知義務があります。
地元に強く、あなたのために動いてくれる、やる気のある不動産会社、担当者を見つけて下さい。
神戸、芦屋、西宮は海と山が近く、良好な住宅地には傾斜地も多くみられます。
こういった土地では、大雨が降ったときの雨水の流れなど、水害についても、家を設計するときの条件の一つになります。
浸水などの被害に遭わないよう、基礎の高さなどに注意しましょう。
※建築事務所で家を建てる場合は、土地の掘削や基礎の高さなどをその土地に合わせて設計するので問題ないと思いますが、ハウスメーカーの場合、設計担当者は現地をみないで間取りプランを決めていくことがほとんどだと思います。
ハウスメーカーの場合は営業任せではなく、家全体を見てくれる、しっかりした設計担当者を付けて貰えるようにして下さい。
家を建てる前には、地盤調査を行いましょう。
出来れば、スウェーデン式サウンディング試験ではなく、標準貫入試験をお勧めします。
調査費用は少し高くなりますが、実際の土のサンプルが採取出来るので、その分安心できます。
家を建てるにあたって、地盤は強固であることが理想ですが、残念ながら、完璧な地盤というものはほとんどありません。
日本の場合、敷地の地下がすべて強固な岩盤、完璧な土地である・・・そんな住宅地は無いというのが現実です。
「100%液状化しないと言い切れる住宅地はない」という専門家もいるほどです。
しかし、家を建てる場所の地盤の状況を的確に知ること、そして必要があれば地盤改良を行い地盤強度を確保することで、安全な家を建てることが出来ます。
安全のためには、きちんとした調査データと、それに合わせた設計が大切ですね。
【第2回】安全、安心な家の構造は何かについて【安全な家を作る方法】
【第3回】安心して長く住むための家を作る【安全な家を作る方法】
【第4回】安心して生活できる家を建てる【安全な家を作る方法】
【第5回】泥棒、空き巣に強い家を作る方法【安全な家を作る方法】



