高低差のある住宅地、傾斜地に家を建てる方法(傾斜地を購入するとき注意すること)
阪神間、神戸市、芦屋市、西宮市で建てる都市型3階建住宅の話、今回は「設計事務所が提案する3階建住宅」についてです。
過去の2回は、こちらです。
3階建のメリット
3階建ての注意点
まず最初は階段についてです。
3階建ての場合、階段は出来るだけ緩やかに設計することをおすすめします。
緩やかな階段はスペースをとりますが、上り下りが楽になります。
緩やかさの判断基準としては、階段全体の傾斜角度を45度以下くらいに抑えることでしょうか。
緩やかな階段は、降りるときにも安全です。
高齢者のいる家庭では、特に大切なポイントだと思います。
※階段の角度と歩きやすさについて興味のある方は、モデルハウスに行ったとき、階段の踏面、蹴上げのサイズを計ってみて下さい。
幾つかのモデルハウスで階段の角度、上り下りのしやすさを確かめていけば、自分が快適に思う階段のサイズの見当がつくと思います。
家のプランニングをおこなうとき、上下方向については柔軟にプランを考えましょう。
今回は「3階建て」というキーワードでお話をしていますが、実は、階数というのは絶対的なものではありません。
平面の間取り図では分かり難いかもしれませんが、家の設計ではフロアをずらした「スキップフロア」や、階数に入らない「ロフト」もあります。
1.5階や2.5階などの家も、考えられます。
さらに、土地によっては半地下やビルトインガレージなど、下方向にスペースを広げる方法もあります。
屋上を使う方法、リビングの天井を高くとって空間を広く使う方法もありますね。
平面図だけではわからない、上下方向のアイデアも、積極的に考えていくべきです。
お風呂などの水回りを上層階に持っていくプランも、おすすめです。
上層階にあって窓の開けられるお風呂は開放感がありますし、よく空気が通るので換気の上でも有利です。
陽当たり、通風が良い上層階は、洗濯スペース、物干しスペースにも最適です。
ただし、こののような場合は、家を水に強い構造にすることをおすすめします。
漏水が起きたときに構造材が錆びる、腐るような家は、あまりおすすめしません。
【参考】耐久性に優れた家
構造は、しっかりと作りましょう。
高さのある建物は、揺れる可能性があります。
いくら耐震性が確保されているといっても、揺れる、きしみ音のする家は、住んでいて不快だと思います。
※3階建てより高い鉄骨のマンションが建てられなくなった理由の一つが、この「揺れ」です。
軽量鉄骨、木造軸組構造で家の高さが高くなると、揺れます。
重量鉄骨で剛性の高い床を使えば、揺れやきしみは感じにくくなります。
当然、一番良いのは鉄筋コンクリートです。
地盤が良好であれば、高さのある住宅には、水や揺れに強い鉄筋コンクリート住宅をおすすめします。
(地下、半地下部分がある場合も、一体的に施工出来る鉄筋コンクリート住宅がおすすめです)
家を計画するとき、建築士は3次元的にプランを考えます。
この点が、ハウスメーカーの「間取りプラン」との一番大きな違いかもしれません。
土地に合わせて高さ方向も生かすように計画する場合、3階建てや半地下、スキップフロア、1.5階や2.5階などの家を考える場合には、建築士にアイデアを出して貰うのをおすすめします。



