鉄筋コンクリート住宅を建てる【1】はじめに
鉄筋コンクリート住宅については、過去にも幾つかコラムを書いております。
【参考】鉄筋コンクリート住宅を建てる
【参考】鉄筋コンクリート住宅が都会向きの構造である理由
【参考】過去に地震で倒壊したことのない住宅構造
【参考】鉄筋コンクリート住宅の建築コスト
今回は、視点をかえて、「鉄筋コンクリート住宅の問題点」と、その対応策について書いてみます。
まず、最初はこの話から。
◆鉄筋コンクリート住宅の最上階の部屋は、夏、居られないくらい暑くなるのでは?
これは鉄筋コンクリートという材料のためというよりは、陸屋根(平らな屋根)で天井裏をとらないことから発生する問題点です。
平らな屋根で天井裏が無い場合、最上階の部屋は、屋根の熱の影響を直接受けてしまいます。
この対策は、まず、ちゃんとした断熱材を最上階天井に入れること。
充分な性能、厚みの断熱材を使えば、かなりの確率でこの問題は回避できます。
あとは、天井裏のスペースを確保して、天井裏の換気を行うこと。
これで通常の勾配屋根と同等の断熱性能は得られるようになります。
さらに、オススメしたいのは「屋上緑化」です。
屋上を緑で覆うことで、夏の熱気だけでなく、冬の防寒にも効果が得られます。
もちろん見た目、利便性も高くなります。
平らな屋根は熱を受けやすいという欠点もありますが、その分、屋上で遊ぶという利点をもたらしますから、このスペースを上手く使うことで欠点を補えると思います。
◇屋上緑化については、こちらも御覧下さい。
【参考】屋上で遊ぶ家
【参考】屋上緑化/屋上庭園のある家を作りませんか?
【参考】屋上緑化/屋上庭園のある家を作りませんか(2)菜園を作る
【参考】屋上緑化、導入の効果・費用・注意点・問題点とは?【効果について】
【参考】屋上緑化、導入の効果・費用・注意点・問題点とは?【費用について】
【参考】屋上緑化、導入の効果・費用・注意点・問題点とは?【注意点・問題点について】
◆鉄筋コンクリート住宅は増改築が難しいのでは?
鉄筋コンクリート住宅、特に壁式構造の場合は、新たな開口部を空けることが難しい構造です。
在来木造工法の場合、柱や耐力壁を避けて計画すれば、増築することは容易ですが、鉄筋コンクリートの増築は設計段階から計画しておかないと困難でしょう。
しかし、実際のところ、都会の住宅で増築する機会というのは、どれくらいあるでしょう?
都会の狭い敷地に建つ住宅では、建坪率、容積率、高さ規制など、ギリギリで建てられていることが多いと思います。
増築する余裕がある敷地、建坪率をもつ新築住宅であれば「増改築の可能性」も重要だと思いますが、実際には増築するスペースを持たない住宅が多いのではないでしょうか。
増改築の可能性が髙いと考えるなら、構造は在来木造あるいは鉄骨造をおすすめします。
そうでないのなら、壁式鉄筋コンクリート造でも特に問題ないと思います。
内部の間取り変更については、殆どのかべが間仕切り壁になっていますので、自由に変更可能です。
このあたりは他の構造と変わりません。
◆鉄筋コンクリート住宅は解体費用が高いのでは?
解体費、高いですね。
鉄筋コンクリートは強度が高いのですから、解体には手間も時間もかかります。
解体費用も、木造住宅より少し高くなります。
しかし、エコロジーの観点から廃棄物を考えると、コンクリート、鉄筋ともにすべて廃棄物再生工場に回されますので、他の構造とあまり変わりません。
耐用年数が長い(法定耐用年数、木造住宅22年、鉄筋コンクリート住宅:47年)のですから、解体時に手間がかかる点については、仕方がないと考えるほかないかと思います。
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