AIに任せる教育と、AIと共創する教育の違い
AI×ITものづくり教育とは?
生成AIが急速に身近な存在となり、子どもたちを取り巻く学びの環境も大きく変わり始めています。
文章を考える、イラストをつくる、プログラムを書く、アイデアを出す。
これまで人が時間をかけて行ってきたことの多くを、AIがサポートできる時代になりました。
では、これからの子どもたちに必要なのは「AIを使う技術」だけなのでしょうか。
私は、そうではないと考えています。
大切なのは、AIに答えを出してもらうことではなく、AIも一つの道具やパートナーとして活用しながら、自分で考え、創り、試し、より良いものへ改善していく力を育てること。
私はこの考え方を「AI×ITものづくり教育」と呼んでいます。
「AIに任せる」のではなく「AIと一緒に創る」
AIを使えば、プログラムのコードも、文章も、画像も短時間でつくれるようになりました。
だからこそ、教育の中でAIをどう使うかが重要になります。
「答えが分からないからAIに聞く」
「課題をAIにやってもらう」
これだけでは、子ども自身が考える機会が減ってしまう可能性があります。
一方で、
「こんなゲームをつくりたい」
「このキャラクターをもっと面白くしたい」
「このホームページをもっと見やすくしたい」
「この動画を見た人に、もっと伝わるようにしたい」
と、自分の考えをAIに伝え、提案されたアイデアを自分で判断し、さらに改善していく。
この使い方であれば、AIは子どもの思考を止めるものではなく、思考や創造を広げるパートナーになります。
AI×ITものづくり教育で特に大切にしているのが、「考える力」「創る力」「試す力」の3つです。
「何をつくりたいのか」を考える。
プログラミングやデザイン、動画編集などのITスキルを使って、実際に形にする。
思い通りにならなければ、原因を考えて、もう一度試してみる。
AIから提案された内容についても、そのまま正解として受け取るのではなく、
「本当にこれでいいのか?」
「もっと良くできないか?」
「自分がやりたかったことと合っているか?」
と考える。
私は、この繰り返しそのものが、これからの時代に必要な学びになると考えています。
まず基礎を学び、その先でAIを活用する
AI×ITものづくり教育では、最初から何でもAIに任せるわけではありません。
プログラミングであれば、まず基本的な文法や仕組みを学ぶ。
デザインであれば、IllustratorやPhotoshopなどの基本操作や、色・レイアウトについて学ぶ。
Web制作であれば、HTMLやCSSがどのような役割を持っているのかを理解する。
動画制作であれば、自分で撮影・編集し、映像によって伝える経験をする。
こうした基礎となる知識や経験を身につけたうえでAIを活用することを大切にしています。
基礎があるからこそ、AIが出したものを見て「ここがおかしい」「こう変えたい」と判断できるようになるからです。
子どもが「つくる人」になるために
これからの社会では、AIを使うこと自体は特別な能力ではなくなっていくでしょう。
だから私は、「AIを使える子どもを育てる」ことだけを目標にはしていません。
目指しているのは、AIやITを使いながら、自分のアイデアを形にできる子どもを育てることです。
ゲームをつくる。
Webサイトをつくる。
イラストをつくる。
動画をつくる。
アプリをつくる。
そして、その過程でAIと対話しながら、自分の考えを言葉にする。
「こうしたい」と伝えるためには、自分自身が何をしたいのかを考えなければなりません。
実際のものづくりでは、一度で思い通りのものが完成することはほとんどありません。
考えて、つくって、失敗して、直して、また試す。
私は、この経験こそがAI時代の子どもたちにとって、とても大切だと考えています。
正解を教える教育から、試行錯誤できる教育へ
学校教育をはじめ、これまでの学びでは「正しい答えを出すこと」が求められる場面が多くありました。
もちろん、基礎知識を身につけることはこれからも重要です。
しかし、実際の社会では、必ずしも一つの正解が用意されているわけではありません。
「どうすればもっと良くなるだろう?」
「別の方法はないだろうか?」
「失敗したけれど、次はどうすればいいだろう?」
こうした問いに対して、自分なりに考え、試す力が必要になります。
AIが多くの「答えらしきもの」を瞬時に提示できる時代だからこそ、答えを覚えるだけではなく、問いをつくり、判断し、試行錯誤する経験がより重要になるのではないでしょうか。
AI×ITものづくり教育を、地域から
私は兵庫県伊丹市で、小学生・中学生・高校生を対象にIT・プログラミング教育に携わっています。
日々子どもたちと接していると、AIを取り入れたことで、これまで「何をつくればいいか分からない」と手が止まっていた子が、自分のアイデアを言葉にし、次々と作品を改善していく姿を見ることがあります。
一方で、AIを使えば自動的に学びが深くなるわけではありません。
どの段階で使うのか。
何のために使うのか。
大人がどこまで教え、どこから子ども自身に考えさせるのか。
教育現場だからこそ、AIとの付き合い方を丁寧に設計する必要があります。
私は、民間の小さなITスクールだからこそできる実践を積み重ね、その事例や考え方を発信していきたいと思っています。
そして将来的には、民間スクールだけではなく、学校・行政・地域・教育機関とも連携しながら、子どもたちがAIとITを「答えを得るための道具」ではなく、自分の可能性を広げ、アイデアを形にするための道具として使える環境を広げていきたいと考えています。
AI時代だからこそ、人が考える
AIの性能は、これからさらに高くなっていくでしょう。
だからこそ私は、子どもたちに「AIに負けない能力」を身につけてほしいとは考えていません。
AIと競争するのではなく、AIを使いながら、自分にしかない発想や興味を形にしていけばいい。
「こんなものをつくってみたい」
その小さな好奇心から始まり、
考える。創る。試す。そして、また考える。
この経験を積み重ねていくことが、AI時代を生きる子どもたちの力になると考えています。
これが、私が提唱する「AI×ITものづくり教育」です。
これからも子どもたちとの実践を通して、この教育のあり方を考え、地域から発信していきたいと思います。
私の運営するスクールは兵庫県伊丹市にございます。
ぜひ当スクールのWEBサイトもご覧ください。
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