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第12回「4C ダイヤモンドのカラット」

藤井雅人

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第12回は「4C ダイヤモンドのカラット」について。

第4回のコラムで「ダイヤモンドの4C+α」について簡単に書かせていただき
ましたが、本当に説明だけになってしまったので補足と質屋的な見解も加え、
4回に分けて書かせていただこうと思います。質問もお気軽にどうぞ(^^

「ダイヤモンドの4C+α」について書かせていただいたコラムはこちら ↓
http://mbp-japan.com/hyogo/pawn-fujii/column/10242


4Cコラム、最終回の4回目は「カラット」です。
カラットは、「石の大きさ」を表していると思っておられる方も多いと思いますが、
正確には「石の重さ」を表す単位で「1カラット(ct)=0.2g」とされていることを覚えて
おくと良いと思います。結果的に重ければ大きいので同じですが、寸法で表示を
するよりも、重さの方が一目で分かりやすいということで統一されています。

それ以上の説明は無いので「ct」の説明は...これにて終了です(^^;


早速、質屋流?低予算で1ランク上に見えるダイヤの選び方に入っていきましょう!
ダイヤモンドは、大きさに応じて値段が高くなるのはご存じの通りです。どうせ購入
するなら、少しでも大きい方が良いに決まっていますよね?実は質屋として、あまり
オススメしたくない、また扱いたくないダイヤモンドというのが存在します。その品は
「カラー、クラリティーが極上なのにカットが極端に悪い...」というもの。こういう品物に
巡り会ったときは注意してください。ダイヤモンドの大きさは重さで表現されることは、
先に書かせていただいたとおりです。例えば、1カラットのダイヤがあったとしましょう。
この中には、最高のプロポーションのものもあれば、やたら直径が大きくて奥行きが
浅いもの、直径が小さく奥行きが深いものも含まれる訳です。これが前回のコラムで
書いた「オススメするグレードは「Very Good」以上。少しでも大きなダイヤモンドが良いと
いう場合は「Good」、妥協して「Fair」...」ということなんです。


【直径が大きくて奥行きが浅いタイプ】
最高のプロポーション「エクセレント」のダイヤモンドに比べると、直径が大きい分だけ
非常に大きく見えます。ただ、ダイヤモンドの輝きは光線が内部で反射することが大きく
影響していることを思い出してください。奥行きが浅くなるということは、反射する角度が
変わって真上に戻ってくる光線が少なくなり、輝きが鈍くなる場合があります。最悪の
場合はフィッシュアイという輝かない部分(裏面が一部透けてしまう現象)が出てきます。
ダイヤモンド上部の平面を見たときに、真ん中は輝いているのに周囲がドーナツ状に
黒っぽく映り込んでいるのがフィッシュアイ。輝かない部分があるのは大減点となります。

【直径が小さくて奥行きが深いタイプ】
このタイプの特徴は奥行きが深くなるため、「エクセレント」評価のダイヤモンドに比べて
直径が小さくなります。またダイヤ内部の反射角度が変わってくるので輝きも鈍くなって
いきます。ダイヤモンドは真上から見るもの。奥行きは指輪やペンダントなどの枠内に
隠れてしまうので、重さは「1カラット」だったとしても...見た目の大きさは「0.9カラット以下」と
いう品物が出てくる訳です。これもまた大減点となります。

これらが「カット」が及ぼす「カラット」への影響で一番大きな例です。
ダイヤモンドを選ぶ際、カットグレードが「Fair」「Poor」の品物が出てきた場合は、どうして
そのような評価が出ているのかを質問してみましょう。またカットグレードを記載していない
グレーディングレポートも存在します。その場合は「Fair以下」と判断してください。最近は
全て表記するようにはなってきていますが、あえて空白にしてある場合もあるので要注意。


さて、ここで気になる質屋さんが評価する査定&値付け基準について。
中古市場相場には、大きさによる価格の壁があります。この壁とは「0.3ct、0.5ct、1.0ct、
1,5ct、2.0ct...」と続いていきます。これを0.01ctでも超えているかどうかで大きな金額の
差が発生するんです。それは販売値付けをするときも、買取査定をするときでも同じです。
特に1.0ctの壁は厚く、大きく値段に影響してきます。少しでも大きくて安いものを買うなら
壁の手前。財産的に見ても評価の高い方と考えるならば、壁の後ろをオススメしています。


これで、ダイヤモンド4Cのシリーズコラムは終わりです。
可能な限り、専門用語を使わないように書いてきたので、それなりに知識をお持ちの方には
かったるい内容だったかも知れませんね...(^^; 現役バリバリの宝石鑑定士資格者には適い
ませんが、質屋として査定をしている経験からお答えできることであれば、買取のことから
販売のことまで質問をお受け致します。気軽にご相談ください。



★おまけ豆知識
質問が出そうなので「ダイヤモンドの蛍光」について。
グレーディングレポートには「蛍光性」を記す欄があります。値段を決める場合に蛍光は
マイナス要因とされていますが、実は悪いことばかりでもないんです。人間の目の錯覚は
非常に面白いもので、黄ばんだものに青い蛍光が加わると白っぽく見える習性があります。
ということは...少しばかり黄色くても、青い蛍光が入ると目で見える色は白くなるということ。
これは皆さんも使ったことがあると思いますが、蛍光剤配合の洗濯洗剤の作用と同じです。
蛍光剤が衣服に付着すると紫外線を吸収して青白く光らせます。結果、黄ばんだシャツが
真っ白に見えるというトリック???ただ、ダイヤモンドは人工的に蛍光剤を塗ったりせず、
生まれたときから持っている習性であり、蛍光が無いものからホワイト、イエロー、イエロ
イッシュグリーン、オレンジなど、色々あるのですが...ブルー蛍光以外には黄ばんだものを
白く映すものはありませんので覚えておいてくださいね。あくまでも減点の中に利点がある
ということでご理解いただけたらと思います。


それでは、ダイヤの4C講座はここまで。ご覧いただいた皆様、ありがとうございました!


※何度も書きますが、ダイヤモンドはグレードが全てではありません。 あくまでも
 グレードは石の個性。宝石選びは出会いと同じ。必ずしも 「最高=最良」「最低=
 最悪」ではないということを念頭に置いてショッピングをお楽しみください!!!
 


過去のコラムは「藤井質店ブログ<質屋日記>」でもご覧いただけます。
http://pawnfujii.floppy.jp/staff/cat13/


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藤井雅人

加古川・藤井質店

宝石、貴金属、腕時計、ブランド品、小型電化製品の質・買い取りと販売を手がける。「全国質屋組合連合会」など各質屋組合に所属。遺品買い取りにも力を注ぎ、「誰もが気軽に立ち寄れる店づくり」を心がけている。

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