「労働条件自主点検」 介護事業所

松本孝一

松本孝一

テーマ:介護事業コンサルタント


突然の労働基準監督署からの通知

ある事業所様から、労働基準監督署から、「労働条件自主点検の実施」の通知が
きたと連絡がありました。
目的は、雇用時の労働条件の書面交付、就業規則の作成届出、労働時間の適正
管理及び割増賃金の支払い等、基本的な労働条件について、その整備状況を点検
するためのようですが・・・
最近介護事業所への通知も多いようですが、様々な要因が予測されます。
しかし、内容をしっかりと理解して、改善を図ることで、良い結果に繋がると私は考えて
います。
ただ、事業者の皆様には、時間がないのですよね・・・

内容は、以下の項目となっています。
①労働条件の明示
    書面による労働条件の明示が必要です
②有期労働契約
    満了時の更新の有無、更新する場合又はしない場合の判断の基準
③就業規則
    常時10人以上の労働者(パートも含む)を雇っている事業所は、就業規則を作成
    して労働基準監督署に提出が必要です
④就業規則・時間外労働協定等の周知
    就業規則を事業所へ掲示・備え付け、書面の交付等により、労働者に周知させる
    義務があります。
➄所定労働時間
    1週間の法定労働時間は40時間が基本です。(例外もあり)
⑥1ヶ月単位の変形労働時間制
⑦1年単位の変形労働時間制
⑧時間外労働・休日労働に関する協定
    労働者に、法定労働時間を超える時間外労働及び法定休日での休日労働を行わせる
    場合には、36協定を締結したうえで所轄の労働基準監督署へ届出が必要(36協定)
⑨所定休日
    休日は、少なくとも毎週1日、または4週間を通じて4日必要
⑩年次有給休暇
⑪賃金控除
⑫最低賃金
⑬割増賃金
⑭60時間超の割増賃金率
⑮時間単位年休
⑯健康診断
   常時使用する労働者に対しては、年に1回定期健康診断が必要
⑰衛生委員会
⑱医師による面接指導等

記入結果を労働基準監督署に提出をしなければならないのですが、内容によっては、問題があると
みなされると立ち入り調査を行いこともあるようです。また、是正勧告を受けてしまうことにもなりかね
ません。

しかし、実際の状況は、いかがでしょう?
雇用契約は、締結されていると思いますが、労働条件通知書は明示されていますでしょうか?
多くの問題は、ここにあるのではないでしょうか?
労働者から、そのような労働相談が労働基準監督署に多数寄せられているのが現状であり、
このような自主点検を実施しなければならないようですね。

面接、採用時に口頭での明示がなされ、実際に業務に入り、違う内容になっている?というような
相談も多く見受けられます。私どもでは、必ず書面で労働条件通知書を交付し、雇用契約と
労働条件通知書の(控)(承諾印)をいただいたのちに就業するようにしています。
全てにおいて、働く職員の方々は、信頼関係で雇用契約がなされるのですが、どうしても実態と
の乖離があるようで、口頭による場合に後々問題となり、信頼関係が崩れることになります。
この事態は、辞められる職員だけの問題ではなく、既存の職員へも影響を及ぼすことにも
なりかねません。

自主点検の通知が来る前に始められることから実施していきませんか?

煩わしいと思われますが、これらは職員の職場環境、すなわち待遇改善にもつながってくるのです。
今回の介護保険改正の報酬減額で、益々厳しい経営を求められますが、しっかりと職員の待遇改善
に繋がる事業所へは加算がなされることになります。
その第一歩として、本当の意味での自主点検を行いませんか?


職場環境が整えば、必ず 「良い職員 」が集まることに違いありません!


介護事業に携わる
皆様の「笑顔」を応援いたします。
介護事業コンサルタント オフィス松本  

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松本孝一
専門家

松本孝一(経営コンサルタント)

株式会社オフィス松本

不動産、介護事業の経営を通じ、今後の高齢化社会に必要な仕組みづくりを「地域」ごとで作ることが強みです。具体的には、介護事業所の経営コンサル、高齢者の生活を支えるサポート、高齢者住宅・施設の斡旋等です。

松本孝一プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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