新しい総合事業は、要支援外しなのか?訪問介護潰しなのか?

松本孝一

松本孝一

テーマ:訪問介護


訪問介護の視点から・・・

新しい総合事業で訪問介護の要支援が介護保険から、総合事業へ移行されます。
そして、現行のサービス基準に合わせて4つのタイプのサービスが導入されます。
①現行の訪問介護サービス
②緩和した基準による訪問型サービス  (訪問型サービスA)
③ボランティアなどによる訪問型サービス (訪問型サービスB)
④保健師等による訪問型サービス    (訪問型サービスC)

上記のように分類されます。
すなわち、これまでの要支援者の方へのサービスを多様化して、指定介護事業者
だけではなく住民やボランティアを含めたサービス事業として作り上げていこうというのが
狙いです。

訪問介護事業者様におかれてましては、この要支援者の方々へのサービスが多様化され
ることにより、自社のお客様が大幅に減るのでないかと考えてしまうと思います。

恐らく、既存の要支援者のお客様で軽度な方は、②③のサービスへ移行される
可能性は非常に高いと考えられます。もちろん、ボランティアなどを活用する②③
の訪問型サービスのほうが、お客様の負担額も低くなります。

となると、この事業が導入されると、要支援者へのサービスが多い事業所様は売り上げが
減ることが懸念されます。

では、この「多様化したサービス」のそれぞれの特徴を考えてみます。
①現行の訪問介護サービス   指定訪問介護事業者により提供
                    ・ヘルパーなどの資格者がサービスを提供する。
                    ・専門的な知識であらゆる介護サービスとの連携が可能
②訪問型サービスA       指定訪問介護事業者など
                    ・緩和した基準によるサービスにつき専門性を問わない
                    ・無資格の職員を派遣することができる
③訪問型サービスB       ボランティア・地域住民など
                    ・ボランティアが主体となるサービス(無資格)
                    ・善意・自発性が主体となり法令による基準がない

上記のことから考えられるのですが、大枠でサービス提供におけるお客様への対応方針が
大きく違いがあるように見えてきます。もちろんサービスを提供する職員の考え方次第なのですが
専門的な知識をもって、ご利用者様の自立支援を支えるサービスが提供できるのは、
現行のサービスに違いありません。

実際のお客様に置き換えてみると・・・
これまで人間関係が構築された訪問ヘルパーから、介護予防マネジメントによって、安価な訪問型
サービスBへの移行があったとすると・・・
ボランティアによる無資格者サービス
これまでは、できることは自分でやることを実践していたが・・・
基準がないので、なんでもされてしまう
そんなことで、更にADLが低下することにつながる。

というように、少し強引かもしれませんが、このような事態になる可能性もあります。
お客様とのコミュニケーションも上手くいくもんなのか・・・
そんな心配もあります。

では、訪問介護事業所として、どのような対応策を講じなければならないのでしょう?

やはりこれらの多様化したサービスとの差別化を図ることです。
大きな意味で要支援者のお客様へのサービスの幅は広がることになります。
ということは、要支援者へのサービスにおける専門的なサービスが求められることに
なってきます。すなわち「人材」です。「職員教育」なのです。

介護報酬の引き下げが発表されていますが、逆に職員への処遇改善や研修などへの
加算体制を強化すると明言しています。

ということは、訪問介護事業者に対しても、事業経営に対する差別化を求められているのです。

そのための仕組み作りは、簡単です。

まずは、現状分析を一緒に取り組みましょう!

介護事業コンサルタント オフィス松本  

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

松本孝一
専門家

松本孝一(経営コンサルタント)

株式会社オフィス松本

不動産、介護事業の経営を通じ、今後の高齢化社会に必要な仕組みづくりを「地域」ごとで作ることが強みです。具体的には、介護事業所の経営コンサル、高齢者の生活を支えるサポート、高齢者住宅・施設の斡旋等です。

松本孝一プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

介護業界で働く人を「笑顔」にするプロ

松本孝一プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼