立ち方を変えるだけでスライスは劇的に直る!
レッスンとは『どうしなさい』ではなく、『こうすればよいのです』とやり方を示すことです。
スウィングの分析
オーバースウィングなSさんの場合。
Sさんはアラフォー。中肉中背です。
Sさんの場合、以前からオーバースウィング気味でした。
しかしそれは一つの個性として受け入れ、スウィングを作ってきました。
そしてその形は、ある程度まとまり再現性が高くなってきたのです。
そうすると今度は『個性を活かしつつ、精度を上げる』レッスンへと移行していくことになります。
そう、オーバースウィングをある程度の所で収まるようにしていくのです。
レッスンの際、大事なのは『オーバースウィングだから、もっと小さく振って!』と言うのではなく、『こうしたらオーバースウィングオーバースウィングは収まってきます』と具体的な指導をすることです。
今回のラウンドレッスンから、Sさんがオーバースウィングになる原因と修正法を具体的に示していきます。
では解説していきましょう。
1で左肩が左ひざの上に残っているのが分かりますか?(青い線)
これは右ひざに余裕がないため、上体が捻転ではなく上方向に回転しているからです。
そうすると2のように行き場のなくなった慣性モーメントは、左ひじを曲げることで逃げ場を作ります(黄色い矢印)
3ではさらに軸が傾き(青い線)、左ひじ(黄色い矢印)は曲がって力を逃がします。
この3枚の写真で分かるのは、すべて右ひざが突っ張っているということです。
4ではきれいにヘッドが戻っているように見えますが、やはり軸は傾いています(青い線)
5では赤い線の所まで戻ってきているべきウェイトが、青い線までしか戻っていません。
6も5と同じで、ウェイトが残っています。だからクラブがフラットに下りてきています。
救いは白い枠で囲った手の甲とフェースの向きが一致していることです。
これは、今まで『個性』として再現性を高めてきたためできています。
こういう良いところを残しつつ、修正をしていかないといけないのです。
7では本来なら体は9の所まで廻っていないといけません。
オーバースウィングによって、振り遅れているのです。
8では9に、9では10まで廻っていれば飛距離も精度もうんと上がります。
9のい白い線は、スウィングセンターの延長です。ここにヘッドが来るように修正すれば、振り遅れは解消できます。
10⇒11⇒12とすべて振り遅れです。
10の白い枠で囲ったヘッドを見ると、右に開いています。
また青い線の所にウェイトが残っているため、11⇒11⇒12では左のつま先が開いています(白い枠で囲った部分)
ここまでエラーが起きている原因を分析してきました。
では『どうしたらこれを直せるのか?』を述べていきます。
まず1の右ひざの突っ張りを直すことです。
ただ単に『ひざを曲げて』というのでは直りません。
これは前傾角の不足から来ているものだからです。
直すためには、セットアップ時の体重配分を土踏まずの上に置き、猫背ではなく腰が伸びた姿勢で前傾をします。
Sさんのセットアップは猫背なんです。今まではそれでも良かったのですが、これくらいにまでスウィングが進化してくると、ここを直さないと先には進めません。
逆に言うと、もう直しても全体が崩れることはなくなったのです。
前傾姿勢がきちんととれるようになると、右ひざに余裕ができ1の青い線までしか来なかった軸は、もっと右に動くようになります。
そうすると右ひじは下を向き、左ひじが曲がらなくなります。
そうすることでオーバースウィングを修正することができます。
まず『根本は何なのか?』を見極めることが、スウィングの修正には重要なのです。
Sさんのエラーの根本は、『セットアップのバランスの悪さ』です。
ここを直すには少々時間がかかりますが、必ず直せます・
Sさん、私も精いっぱいお手伝いさせて頂きます。頑張りましょう!