自分からやりたいというまで、無理にやらせても意味はありません
ジュニアのラウンド
ジュニアゴルファーにとって、上達するためには何が必要でしょうか?
今回は、小学校5年生のY君のラウンドレッスンをベースにお話ししていきます。
Y君がコースに出るのは、これがまだ2回目です。
技術的なことやクラブのことなどを先に述べていきます。
次に連続写真を使ってY君のスウィングを分析していきます。
まずジュニアにとって、どんな練習をすれば続けられるのでしょう?
ゴルフ、いえスポーツ以外でも、さまざまな分野で必要とされるのは『継続』です。
練習も1回だけでは上手くなれません。続けることが大事なのです。
大人なら『しんどくても上手くなるためだから』とか自分を納得させることもできますが、ジュニアの場合、それは難しいです。
では続けられるようにするにはどうしたらいいのか?
簡単です。楽しい練習であれば、彼らは自ら続けようとします。
楽しい練習とは何か? それは『押し付けない』ことです。
押し付けられると、大人でも嫌になってしまいますよね?
ジュニアなら、なおさらです。
最初は基本中の基本だけを教え、しばらくは好きに打たせておきます。
そうすると、そのうち『なんだか上手く当たらないなぁ?』と感じだし、『先生、どうしたら上手く打てるの?』と訊いてくるようになります。
自分の好きなことだけをやってきたので、彼らは飽きもせず練習をしてきました。
しかし我流では限界が来ます。そこで私に訊いてくるのです。
そこで『これをこうしたらもっと上手くいくよ』と教えてあげると、彼らは一生懸命それを練習します。
何故なら、それをやることによって『もっと楽しく』なるからです。
楽しいことをやるのに、嫌!とはならないでしょう?(笑)
もう一つ大事なことがあります。
ジュニアの体は完成されちないがゆえに、非常に軟らかいということです。
だから大人が廻らない所まで廻ってしまいます。
下のY君の写真を見ても分かりますが、大人でこの捻転ができる人はまれにしかいません。
ということは、重かったり硬かったりするクラブを使うと、慣性モーメントで引っ張られて『行ってはいけないところまで廻ってしまう』ことがあるということです。
つまり大人のクラブ(お父さん、お母さんを問わず)を短くして使わせるなんてことをやっていると、肋軟骨の剥離骨折をやってしまったり、肩などの靭帯を傷めてしまったりするとい危険があるということなんです。
ジュニアには、その時々の体格やパワー、あるいは関節の自由度に応じたクラブで練習させないといけません。
これを怠り、『まぁ短くすりゃ振れるだろう』と思っていると、お子さんの将来を奪いかねませんよ。
一昔前の野球選手が、『肩が壊れない一部の者だけが大成できる』であったように、運よく壊れなければ儲けもので、故障を起こす危険が常について回ります。
くれぐれもジュニアに合ったクラブで練習させるようにしてくださいね。
さて、次はY君のスウィングの分析です。
1では画面に向かって正面あたりを向いていて欲しいフェースが上を向いています(白い枠で囲った部分)
これは左肩が下がり気味で=捻転不足でクラブを手で押し上げているために起こっています。
2ではさらにきつくなっていますね?テイクバックの時に上げすぎたために、こうなっています。
3では振りかぶり過ぎたせいで、赤線の所まで動いているべき軸が青い線の所までしか来ていません。
振り遅れているのですね。
4では振り遅れたまま手を下(黄色い矢印方向)に押し下げているため、かなりシャロー(インサイドからフラットな軌道)に下りてきています。
5では緑の矢印方向に動きたい腕の動きが、下(黄色い矢印方向)になっているため、軸が青い線で示したように傾いています。
そのまま体重が動いているので、白い枠で囲った部分のフェースがかなり開いて下りてきているのが分かります。
また軸の傾きもひどくなっています。
7では、きつくインサイドから下りているため、紫の矢印で示した右ひじが絞られてしまっています。
よくこれを『脇が締まっている』という人がいますが、とんでもない誤解であることは、この画像を見れば一目瞭然ですね?
だから8では、グリップエンドがスウィングセンター(黄色い線黄色い線)の手前にあり、その延長線上にあるヘッドはさらに後方にあります。
9では、ひどいすくい打ちになっているため、ヘッドは下からあおる形で入り、ボールはまだ画面内にあります(笑)
10から12までだけを見ると、小学生とは思えないほど素晴らしいフィニッシュです。
では何故こんなフォーローからフィニッシュが取れるのに、7から9ではこんなひどいエラーが起こっているのでしょうか?
簡単に言ってしまえば、1と2で見たように担ぎ上げているからです。
では何故『担ぎ上げ』が起こるのか?といえば、テイクバックで自力で10割の位置まで上げているからです。
慣性モーメントがありますから、自力で10まで上げてしまうと、13から15くらいまで『持って行かれてしまう』のです。
クラブの所でお話ししましたが、Y君は私が彼用に仕上げたクラブを使っているので、この上げ過ぎ=持って行かれてしまっても体を傷めることはありません。
しかし、いかに合ったクラブであっても振りかぶり過ぎを止めることはできず、手で押し上げる形で行き過ぎたパワーを逃がさざるを得ないのです。
Y君は、6から7くらいまでを自力で上げ、あとは慣性モーメントに任せることを覚えれば、非常に飛距離の出る、素晴らしいプレーヤーになれるでしょう。
それとこの解説は、エラーを治すためのものですから、あまり良いことは書きません。
Y君の名誉のために書き足しておきますと、きちんとできた時には大人顔負けの飛距離と方向性が出ていましたし、この日のテーマである『パッティングの距離感をつかむ』こともちゃんとできました。
前半56:後半54のトータル110でのラウンドでした。
2回目のラウンドにしては立派なものでしょう?(笑)
いかがでしたか?
述べてきましたように、ジュニアにとってクラブが合っているかどうか?は非常に大切なことです。
もちろん大人にとっても重要なことは言うまでもありません。
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