手打ちのススメ Part2
スウィングの分析
どうしても大きく振りかぶってしまうMさんの場合
Mさんは70代後半。小柄で割と非力な方です。
昔からやられていたこともあり、どうしても昔取った杵柄で『大きく振りかぶれば飛ぶ』という誤解をされていました。
今回はショートコースでのレッスンを通じて、タイミング=振り切れる大きさが大事なのであって、いくら振りかぶっても振り切れなければ却ってマイナスなのだということを覚えて頂きました。
では解説していきましょう。
1では『大きく振りかぶろう』として、シャフトが寝てしまっています。
2を見ると、白い枠で囲った部分の左手の甲の向きとフェース面が一致していません。
3でようやくウェイトが右に移ってきましたが、1と2では遅れているのがはっきりと分かります。
飛ばしたい気持ちが強すぎて、勢い余ってしまっているのですね。
4では振りかぶりすぎているので、本来あるべき位置を示す赤い線と、実際の位置を示す青い線がズレています。
またフェース面も開いているのが分かりますか?(白い枠で囲った部分)
5では担ぎ上げるような形になっていますね。
そのため6ではクラブを垂直方向(黄色い矢印)に下ろすことになり、パワーがヘッドに伝わっていません。
7では緑の矢印方向に振っていけばパワーが伝わるのですが、振りかぶりのせいで上体の捻転が上手くいかず(慣性モーメントに引っ張られて)、黄色い矢印の方向に下りてきてしまっています。
8ではフェース面が寝ており、タメも無くなって横殴りになっています。
ご本人はすごく立てブリということを意識されているのですが、振りかぶってしまうとその意識の通りには振れなくなってしまうのです。
9では赤い線の所にあるはずのシャフトが、地面と平行になってしまっています。
また赤い線と青い線のズレも大きいですね?
10ではヘッドがインサイドから出ているのが分かります(白い枠で囲った部分)
11ではしなり戻り(ヘッドの重さでしなる分、手元も左方向に引っ張られること)で、グリップエンドがヘッドより左方向に出てしまっています(白い枠で囲った部分)
だから12では、体重が青い線の所に残り、赤い線まで移動できていないため黄色い矢印で示した左ひじが抜けてしまうのです。
Mさんの場合、スウィングを改良すれば、まだまだ飛距離を伸ばす『伸びしろ』がたっぷりあります。
大きく振りかぶれば飛ぶという『思い込み』を修正し、『振り切れる大きさのスウィング』に変えるだけで、もう20~30ヤードは伸びると思います。
幸いMさんはまじめで、しっかり教えられたことをきちんとやろうという意志と、『もっと飛ばしたい』という意欲をお持ちです。
このままレッスンを続けられれば、Mさんの目標である180ヤードはおろか、さらなる飛距離も目指せます。
なぜなら、エラーの修正をしながら、どんどん飛距離を伸ばしているからです。
皆さんも大きくテイクバックすれば飛距離が伸びると勘違いしていませんか?
大きく振りかぶるより、振り切れるテイクバックの大きさである方が飛びますよ(笑)
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