ティーチングプロにとって辛いこと③
シングルを目指す時、これだけは負けないという武器がひとつあればいいのです。
先日、ある生徒さんから『シングルを目指したい』と言われました。
仮にAさんとしておきましょう。
Aさんは60代半ば。中肉中背ですが、比較的筋肉質です。
オーシャンゴルフアカデミーに来られる前の平均は、109とダブルボギーペース。
ドライバーは低い引っかけが多く、アイアンは左右にばらつく球が多かったです。
ここまでで『なんでこんなスコア(腕)の人がシングルなんて言うんだ?夢でも見てるんじゃないのか?』と笑われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、うちに来られた時、私はAさんの前さばき(フォーアームローテーション)の上手さには驚かされました。
通常なら結構なトレーニング期間を要する前さばきが、何も教えなくとも抜群に上手いのです。
また練習も真面目で、ノートをつけながら言われた練習を黙々とこなします。
しかしこの方、とても不器用です。
言われてポンポンとできるわけではありません。
しかし、失敗しても失敗しても腐らず同じ練習を黙々とこなします。
私はなれるなれないは別として、Aさんがシングルを目指されるのは無謀な挑戦ではないと思っています。
ひとつには、この練習態度です。そしてもうひとつは、この前さばきです。
Aさんの前さばきは、トップクラスのプレーヤーと比べても遜色がありません。
この武器を磨けば、シングル入りはできないかもしれませんが、自分に後悔しないプレーができるようになると感じています。
不器用というのは、一見悪いことのように聞こえますが実は素晴らしい素質なのです。
器用な人は、サッとやって、パッとできてしまいます。
だから『できた時の感動』がありません。
実際、初めての練習でドライバーで200ヤード以上を真っすぐに打てた方を知っています。
アプローチも、教えた通りにできます。
でもこの方には『苦労した末にやっとできた!』という感動がありません。
もう来られなくなって何年も経ちますが、お知り合いから聞いた話ではデビューした時とあまりスコアが変わっていないそうです。
不器用な人は、練習しても練習してもなかなかできない。
しかしひたすら練習を続けたある時、『できた!』という感動の瞬間が訪れます。
その感動が、その技を自分のものにするのです。
私もかつてはローフェードがどうしても打てなくて苦しみ抜きました。
しかしある時、その『できた!』の瞬間が訪れ、それからはローフェードが私の最も得意なショットになっています。
はい、私も大変不器用なんです(笑)
努力は報われるとは限らない。けれど、努力して後悔することはない。
これが私の持論です。
さてAさんですが、この方には前さばきという凄い武器があります。
何かひとつ、これだけは!という武器を持っていれば、シングルを目指すのは無謀ではないと思います。
私にはローフェードという武器があります。
ピンチの場面でも、ローフェードだけは自信を持って打つことができます。
また、私は右ひざが悪く、トップから切り返しで踏ん張ると膝の負担が大きくなってしまうため、ほかのプロに比べて飛距離が出ません。
そこで磨いたのがアプローチです。
上げる、転がすのアプローチの技の引き出しを多くし、いろんなシチュエーションでの対応ができるよう磨きをかけました。
このように、何かひとつでもいいから『自分が自信を持てる武器』を持つことができれば、今はダボペースでも、シングルを目指すことは無謀ではありません。
もちろんゴルフと真剣に、真面目に向き合う姿勢は必要ですよ(笑)
自分が自信を持てる武器を持ち、真面目に練習に取り組む。
これがシングルへの道だと私は考えています。
器用に何でもこなせることがいいわけではありません。
不器用でもいいから『できた!』という感動を得る瞬間が持てれば、その技は『貴方のもの』になります。
そのためには、自分と相性の良い、分かりやすい説明と納得できる練習法を教えてくれるプロについて、『自分の武器は何なのか?』を見つけてもらいましょう。
相性の良いプロの見つけ方は、前にも書きましたのでそちらを参照してください。
そして自分の武器を見つけたら、徹底的にその武器を磨きましょう。
その他のミスは少々のことなら目をつむってでも、自分の長所を伸ばすことに時間をかけてください。
やはりスコアがいいと気分もいいし、ゴルフも楽しくなります。
まぁスコアが良くなったらなったで、別の苦しみも出てきますが、それはそこまで行きつけた人だけが味わえる苦しみということで甘受してください(笑)
さぁ!皆さんもハイスコアを目指して頑張りましょう!
オーシャンゴルフアカデミーでは、貴方のスコアアップのお手伝いをさせて頂いております。
どうぞお気軽にお問い合わせくださいね。