寄せワンを取りたい方のためのアプローチ講座 第5回 左足下がりのライからのアプローチ②

深田洋史

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テーマ:アプローチ

寄せワンを取りたい方のためのアプローチ講座 第5回
左足下がりのライからのアプローチ② 上級編

今回は、以前コースであったシチュエーションのお話の続きです。
コースは、三木よかわカントリー倶楽部 西コース5番ホール 160ヤードパー3です。
(以下、生は生徒さん。私は私です)

生『グリーン右の斜面に打てばいいんですね?』
私『はい、そうです。そこから先ほど言われた打ち方のレッスンをしましょう。』
その生徒さん、もともとがスライスが持ち球ですし、風も左から右でしたからグリーンの右端を狙えば、勝手に右の斜面まで曲がってくれました(笑)
私『じゃぁ行きましょうか。』
生『え?先生は打たないんですか?』
私『はい、貴方のレッスンです。私のプレーで時間を喰ってはいけませんから。』
生徒さん、申し訳なさそうにしていますが、当たり前のことなんです。レッスンなんですから(笑)

私『いいですか? 今度は地面に対して直角には立ちません。』
生『はい。』
生徒さんには、私の正面に立ってもらいました。

私『ボールは右のつま先。右足一本で立ちます。地球に、つまり重力に対して直角に立ち、決して地面に対して構えてはいけません。』
生『はい。でも、バランス悪そうですね?』
私『その通りです。だから足幅は狭くし、スウィングもコンパクトにする必要があります。』
私が構えてみせました。幸い数日間の好天のおかげで、足場は滑りません。
生『うわぁ!なんかすごく傾いて見えます。』
私『斜面に逆らうように立っていますから、視覚的には相当右に傾いて見えますよ。自分が立ってみたら、もっとひどい傾きに感じると思います。』
ボールの位置は右のつま先。体重は右足一本にかかっています。
私『この状態でスウィングすると、ボールは右足とツラの位置にありますよね?』
生『はい、ほぼ同じ高さにあります。』
私『もちろんボールの後ろは高いわけですが、左体重の時と比べてどうですか?』
生『かなり相対的に低くなっているように見えます。』
私『そうです。これが大切なんです。この状態であれば、右足一本の体重軸を動かしさえしなければ、平地と同じようにフェースが入れられます。』
私はコンパクトなスウィングで打ってみせました。
生『あ!球、上がりました!』
もちろん平地で打つよりは低いですが、左足に体重を乗せて打った時よりははるかに上がります。
生『ほぇ~!下り斜面なのに止まりましたよ!』
ポンと落ちて、後は下り傾斜なりに転ぶだけでピンから1メートルのところに止まりました。
止まりました・・・と書きましたが、実のところ『止まってくれた!』という気持ちの方が大きかったんですけどね(笑)
私『やってみてください。』
生徒さんに構えてもらい、姿勢の微調整をして打ってもらいました。
生『あ!』
トップです。ボールはティーインググランドから見て左、こちらから見ると向こう側のOBに行ってしまいました。
私『上げに行ってはいけません。あくまでもいつも通りにスウィングしないと、リーディングエッジに当たって、今みたいにトップになりますから。』
生『はい。暫定球、打ちます。』
余談ですが、この暫定球宣言はとても大切です。もし言わないで打った場合、最初の球がインバウンズ(俗にいうセーフ)であったとしても、取り換えられた球がインプレーの球になってしまいます。
「危ないからもう1球打っておきます」とかの言葉ではダメです。はっきりと『暫定球を打ちます』と宣言しない限り、その球は暫定球とはみなされませんのでご注意くださいね。
私『ナイスアプローチ!』
今度の球は、何とか浮いてくれました。やや強めに入ったので、ピンを超えて3メートルくらいオーバーしましたが、とりあえずはグリーン上に止まってくれました。
私『この技は、ヘッドが構えた位置にキチンと戻ってくる『再現性の高いスウィングができる人』でないと使ってはいけない技です。さっきみたいにトップの出やすい、危険性をはらんだ技ですからね。』
生『はい。よくわかりました。2球目は何とかうまくいきましたけど、怖かったです(苦笑)』
私『基本的な技では寄せるのが酷く難しいライでも、この技なら上手くいけば寄せワンも取れます。ただ、失敗するとグリーン近くからのOBなんて地獄を見ることもありますから、使うときは余程肚を括ってやってください。生半可な気持ちでやったら、失敗した時に大きな後悔になりますからね。』
生『わかりました。もっと練習してから使うようにします。しかし、いろんな引き出しを持ってるんですね?』
私『ありがとうございます。でもね、引き出しは多い方が良いですが、実際に使うのはそのほんの一部ですよ。もちろん引き出しが多いということは、選択肢も広がるということですけど、闇雲に技のレパートリーを増やすより、得意技を磨いた方が実戦では役に立つと思います。』
生『よぉ~く分かります(笑) 僕はまず基本をしっかり磨こうと思います。』
私『そうですね。では6番ホールも頑張りましょうか。』

まとめ
左足下がりのライからのアプローチ 上級編

立ち方は地球(重力)に対して直角。
右足一本で立ち、ボールは右のつま先。
スタンスは狭めで、スウィングはコンパクト。
決して上げようとせず、構えた位置に戻るスウィングをする。
失敗しても後悔しない決意をもって打つ。

いかがでしたか?
お役に立ちましたでしょうか?
次回はアプローチ講座はお休みして、初心者の方のラウンドレッスンを載せる予定です。
次回は写真入りで解説しますので、お楽しみに!

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