寄せワンを取りたい方のためのアプローチ講座 第2回
寄せワンを取りたい方のためのアプローチ講座 第4回
左足下がりのライからのアプローチ① 基本編
今回は、以前コースであったシチュエーションのお話です。
コースは、三木よかわカントリー倶楽部 西コース4番ホール 360ヤードパー4です。
かなりの打ち下しのホールで、セカンドショットも左足下がりになるのですが、今回はそっちではなく、アプローチの方です。
生徒さん、ティーショットはまずまずの出来で残りは130ヤード。しかしトップしてしまい、グリーン奥にはずしてしまいました。
シチュエーションは、ボールはかなり左足下がりのラフ。ボールからエッジまではおよそ5メートル。
その間は1メートルくらいの、いわば小さな谷になっています。
エッジからピンまではおよそ10メートルの上りです。
(以下生は生徒さん。私は私です)
生『先生、こんな左足下がり、どうやって打ったらいいんですか?』
私『そうですね、いくつかのやり方がありますが、今回は一番楽な、あるいはオーソドックスなやり方をしましょう。』
生『はい。』
私『キャリーは5メートル位出ればこのちっちゃな谷を越えますし、幸いピンまでの距離もあって、しかも上りです。無理をして球を浮かせる必要はありません。』
チョッと後ろを振り返ると、次の組はまだティーインググランドにも来ていません。レッスンする時間は十分あります(笑)
私『左足下がりに限らず、傾斜地でのアドレスで重要なのは地面に対しての角度と、地球、すなわち重力に対する角度です。』
生『はい?地面と地球ですか?』
私『そうです。結論から言ってしまえば、下半身は地面に対して直角に立ち、上半身は地球に対して直角に立つのです。』
生『体を曲げるということですか?』
私『う~~ん、まぁそうなんですが、傾けるといった方がいいかもしれないですね。』
そこで私がやってみせたのは、下半身は傾斜に対してまっすぐに立ち、左の膝を曲げ、体重の過半が左ひざの上に乗せることで、左腰が傾きの中心に来るような立ち方です。
その腰を支点に、上体を地球に対してまっすぐに立てるのが基本的なアドレスです。
それを図にするとこうなります。
私『下半身を地面に対して直角に立つことで、斜面なりにヘッドを下すことができます。でも上半身も地面に対して直角だと、左に転げ落ちてしまいますよね?』
生『えぇ。まず立っていられません(苦笑)』
私『前にやった転がすアプローチを覚えていますか?』
生『はい。左ひざの上に体重をおいて、左肩と膝が一直線上にあるようにセットし、その位置関係を変えないように打つ・・・でしたよね?』
私『そうですね。左足下がりの傾斜に対する立ち方ができたら、あとは転がすアプローチと同じです。やってみてください。』
転がすアプローチの詳細については、第1回のピッチエンドランを参照してください。
生『クラブは・・・?』
私『軽く上って上っていますから、ランはそう出ないでしょう。Awで1:1でいいと思います。』
生『7メートルくらいのキャリーですかね?』
私『そんなもんで大体いいと思います。距離も大事ですが、それ以上に球を上げようとしない方が大切ですよ。上げようとすると、リーディングエッジが浮いてトップしますから。』
生『わかりました。打ってみます。』
後ろを振り返ると、ようやくティーインググランドに次の組が来たところでした。
私『落ち着いてやってくださいね。』
生徒さんに後ろの組との間が空いていることを教え、焦らないようにやってもらいました。
私『ナイスアプローチ!』
手順通りにやれた生徒さんの球は、低い弾道で飛び出し、エッジから1メートルくらいのところに落ちて転がりました。ピン下1メートル弱です。
上りの真っすぐなラインをしっかり打って、見事寄せワンのパーを獲りました。
生『ありがとうございました。上手くいって良かったです。』
5番ショートに向かってカートを走らせていると、生徒さんから質問がありました。
生『今のは幸いなことにランが出ても大丈夫でしたし、上りでしたから良かったですけど、もしランが出せなくって、しかも下りとかだったらどうするんですか?』
私『諦めてください。』
生『え?』
私『冗談ですよ。かなり、難しい技ですが、やり方はあります。もちろんライによりけりではありますけどね。』
生『それ、教えてください。』
私『わかりました。では次の5番ホールで、右の斜面に打ってください。そこからやりましょう。』
ということで、次回は『左足下がりからのアプローチ② 上級編』です。
お楽しみに!