アプローチの極意
寄せワンを取りたい方のためのアプローチ講座 第2回
今回もグリーンエッジからのアプローチをやっていきたいと思います。
(生は生徒さん。私は私です)
生『先生、このあいだ教えて頂いたアプローチでチップインパーが獲れました!』
生徒さんから嬉しい報告を頂きました。
私『どんなシチュエーションだったんですか?』
生『カラーまで1メートルほどしかないんですけど、ラフが結構深くてパターは使えませんでした。ピンまでは6~7メートルくらいでした。』
私『ほうほう。』
生『で、思い出したのが先日教わった「パター打ち」です。』
私がお教えしたパター打ちというのは、シチュエーションにっよって持つ番手は変わりますが、アイアンをパターのように使うアプローチです。
生『PW持って、ボールは足と足の間のセンター。目の位置はボールの真上。グリップはパターと同じ長さで持って構えもパターと一緒。ヒールを浮かして、あとはパッティングと同じ距離感で打つ。これで上手いこと入ってくれました。』
私『素晴らしいです。ラフの引っかかりはどうでした?』
生『やっぱりヒールを浮かしてますから、引っかかりませんでした。いい感じで抜けてくれましたよ。』
ヒールを浮かせると、接地面がトゥの下だけになるので、ダフリ、トップが少なくなります。また、少しラフに沈んでいるボールも、接地面積が小さいので、あまり気にならないという利点があります。
生『でも先生。この打ち方、この間のTVで高橋勝成プロも言ってましたよ?先生、あれ真似されたんですか?』
良く出る質問なので、苦笑しながらお答えしました。
『私もその番組観てますよ。あれを観た時の感想は、<あぁ、高橋プロも同じことを言っておられるなぁ>でした。』
生『え?じゃぁ先生の方が先ということですか?』
これもまた良く訊かれる質問です。
私『いえ、そういうことじゃないんです。あれは・・・そう、アイアンをパターのように使うのは、かつての名プレーヤー<リー・トレビノさん>の得意技だったんですよ。』
生『リー・トレビノって、あのパーマーやニクラスと名勝負を演じたあのトレビノですか?』
私『はい、そのトレビノさんです。トレビノさんは、6番アイアンを使うことが多かったと聞いています。ついた名前が<トレビノ61P>』
生『トレビノ、シックス ワン ピーですか?』
私『えぇ、そう呼ばれることが多いです。しかし正しくは、トレビノ シックス アイ ピーなんですけどね(笑) 6I(アイアン)をパターのように使うということなので、ワンではなくアイなんです。』
生『ほぇ~!そうなんですか!でも、今そんな技使うプロって見たことないですけどね?』
私『そうですね。今はまずお目にかかれないですね。でもトレビノさんは、この技で勝ってきたんです。例えばある試合で、同伴競技者がバンカーに入れて、トレビノさんの球はそのプレーヤーの球とピンの中間にありました。』
生『ほうほう。』
私『そのプレーヤーのバンカーショットは深く入りすぎて、大量の砂をトレビノさんの球の上と、パッティングラインにかぶせてしまいました。もちろんルールで砂を払いのけることは認められていますが、払ってもパッティングに影響が出るのは間違いない量だったそうです。』
生『はぁ~、それで6IPを?』
私『そうです。トレビノさんは慌てることも怒ることもなく、6番アイアンを取り出し、砂の上をピッチさせて、なんとそのままカップインしてしまったそうです。』
生『すごいですね! で、優勝したんですね?』
私『はい、そう聞いています。』
生『でもなんで今のプロは使わないんでしょね?』
私『さぁ? 私にもわからないですね(苦笑) でもいい技はどんどん使った方がいいと思いますよ。何より簡単ですし、距離感も合わせやすいですから。』
生『そりゃそうですね。僕だってチップインできたくらいですから(笑)』
まとめ
トレビノ6IP
ボールは足と足の真ん中あたり。
目はボールの真上。
グリップの長さはパターと同じにする。
構えもパターと同じ。
上から釣る形になるので、自然とヒールが浮く=トゥしか接地しないので、ダフリ・トップが減る。
パターと同じ距離感で打つ。
初心者の場合、膝をピンと伸ばし、足を広げない(かかととかかとをくっつける)と、体のブレが小さくなり、より方向性が出しやすくなる。
いかがでしょう?
お役に立ちましたでしょうか?
お知りになりたいアプローチがありましたら、お気軽にお問い合わせくださいね。
シリーズの途中でも割り込んで掲載するようにしますから。
あるいはオーシャンゴルフアカデミーにお越し頂けば、直接お教えいたします。
次回は、バンカー越えのアプローチを予定しています。
お楽しみに!