動物病院の広告宣伝・集客手法の紹介
不動産屋の広告宣伝・集客に最も大切なことは何でしょう? 今回はある若い営業マンの嘆きをもとに考えてみましょう。
ある新人営業マンの嘆き
不動産会社に入社したての若い営業マンが、インターネットにこんな嘆きを投稿していました。
「うちの営業はポスティングと電話だけ。インターネットを使った集客を提案しても上司が受けつけてくれません」と言うのです。
毎日ポスティングに出かけても反響はなく、「これでいいのか」と感じています。しかし、上司の答えは「チラシが一番!」なのです。
現在、インターネットを使わない不動産会社はおそらく皆無に近いでしょう。
「SUUMO」「LIFULL HOME'S」「アットホーム」「いい部屋ネット」など、充実した不動産ポータルサイトがあり、賃貸、売買を問わず住まい探しはインターネットの検索から始まります。ポータルサイトで検索し、種々比較検討し、そのうえで不動産会社に連絡したり資料請求を行うのは、ごく当たり前のことになっています。
さらにLINEなどSNSを使った集客、自社ホームページに誘導しての集客など、各不動産会社はさまざまな方法で集客に取り組んでいます。インターネットに投稿した若い営業マンの会社は「非常に珍しい」ということになるでしょう。
その一方、インターネットを介して広告宣伝・集客を行っている会社も、インターネットをどのくらい効果的に活用しているかチェックしてみる必要があるのではでしょうか。いくつか問題点を検討してみましょう。
ポータルサイトの使い方
まず、ポータルサイトについてですが、営業マンの指示に従って事務スタッフが登録して終わり、ということになっていないでしょうか。
ポータルサイトは物件紹介の場所であって、反響や売上についての保証はありません。それはポータルサイトを利用する側にかかっています。アクセス解析など十分に利用しているでしょうか。
また、ポータルサイトに掲載される情報量は限られていますから、ぜひ、自社ホームページへ誘導したいところです。
地域密着型の不動産屋さんの場合、物件情報はもちろんですが、地域のおいしい店の紹介など、地域をよく知っていることが伝わる工夫がなされているでしょうか。
物件の豊富さ、情報量の多さは不動産会社にとって重要なアピールポイントですが「物件をご案内します」という面だけが強調されるのは、マイナスに作用する場合もあります。
ある大手不動産会社の調査では、モデルルームや住宅の見学を希望する人にとって一番大きな不安は、「現場で強く売り込まれるのではないか」ということです。これは世代を問わず共通して抱く不安で、賃貸物件についても同様の不安を持つ人は少なくありません。
この点を考えれば、自社ホームページに誘導した際、たとえば地域のおいしい店の紹介や代表者、営業マン、事務スタッフの人柄がわかるようなブログがあると効果的です。お客さまの「現場で強く売り込まれるのではないか」という不安を軽減することができます。また、そうすることで「物件に興味を持った方」を「有望な見込み客」に変えることができます。
ポータルサイトと自社独自の情報発信を併せ、より効果的な広告宣伝にしていきましょう。
チラシは古い?
ところで、はじめにご紹介した若い営業マンの投稿ですが、インターネットをまったく無視した営業スタイルは問題ですが、上司が言う「チラシ」の効果は、若い営業マン氏が考えるよりずっと大きいと言えます。
20代、30代の子育て世代は新聞を取る世帯が少なくなってきていますから、新聞折込チラシは従来にくらべ効果が薄くなってきているとは言えますが、しかし、今も有効な手法ですし、ポスティングチラシも同じく有効な広告宣伝・集客ツールです。
先述の若い営業マンは、毎日ポスティングに出かけても反響がないと嘆いていますが、そもそもポスティングの反響率は高いものではありません。
あるフランチャイズ(襖・障子・網戸等の張替え)の試算では、ポスティングの反響率は1%程度。3000枚チラシをまいて反響は30件程度、売上げ単価7~8万円として、5件成約に結びつけば35万~40万円の売上げになる計算です。
不動産売買の場合、反響率は1%より低いでしょう。厳しい数字になりますが、おそらく0.05%程度ということもあるでしょう。しかし、単価がまったく違います。
つまり、いかに根気よくポスティングを続けるかということにかかってくるのです。もちろん、反響率を上げるために、キャッチコピーを再検討したり、チラシ全体のデザインを見直したりする努力も必要です。
「衣食住」という言葉がありますが、「衣」も「食」も「住」があってのことであり、住まいについてお客さまは慎重に吟味を重ねます。その慎重な吟味に応えるには、どの広告媒体を利用するにしても地道に根気強く続けることが大切なのです。