占いブームの仕掛け人が地域活性化に貢献するために始動（1/3）

いち早く心を癒やすサービスに着目、占いの街をプロデュース

　1982年に神戸・元町商店街にオープンして以来、30余年にわたり人気を集める「ジェム　占いの街」。四柱推命や西洋占星術、タロットなどさまざまな分野の占い師が個別ブースで待機し、来者は自分の好みの人を選んで相談することができます。

　開業当初から数多くの人が足を運び、新聞や情報誌に取り上げられるなど話題を呼んだ同施設の仕掛け人は「人間駐車場」の代表取締役・山下嘉範さん。経営コンサルタントとして個人商店や個人事業主の事業存続や発展のための支援活動を行うなど、地域活性化を目指して活動中です。

　「当時、顧問をしていたクライアントからファッションビルのワンフロアの有効活用を任されたことがきっかけで占いの街をプロデュースしました。その頃は景気が良く、お金や物があふれていました。これから世の中に求められるのは家や車、ブランドものの服やカバンではなく、心を癒やすカタチのないものだと思いました。アパレルショップがたくさん入っている施設だったこともあり、女性の関心をひく業種は何かと考えたとき占いが頭に浮かびました」

　今でこそ、ショッピングモールなど人の集まる場所で占いコーナーを目にしますが、1980年代初め頃までは、易者は裏通りやビルの片隅にひっそりとたたずむなど、女性が足を運びにくい雰囲気がありました。

　「買い物客が出入りする商業ビルなので誰もが気軽に立ち寄れる。自動販売機でチケット販売をするので鑑定料についても明朗会計。条件とアイデアが合致し、世間の方々の占いに対する不安を払拭することができました」と山下さん。

　現在では元町店のほか神戸国際会館にも出店。2店舗で約50人の占い師が在籍し、個別相談のほかテレビやラジオといったメディアへの出演、イベント出張などに対応しています。

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