広告宣伝で利用可能な補助金
広告の効果測定、評価についてよく使われる方法は「CPA」「ROAS」「ROI」があります。「CPA」は「顧客行動単価」「新規顧客獲得単価」が、「ROAS」からは「投資した広告宣伝費の回収率」、「ROI」からは「投資した広告宣伝費の収益率」がわかります。詳しく見ていきましょう。
広告における効果測定
広告宣伝の効果を測定・評価することは2つの面で非常に大切です。
一つは、広告宣伝にかけた費用とその効果を測るためですが、もう一つは広告宣伝の効果を測り評価することで、より効果的な広告宣伝の検討材料が得られるということです。
広告宣伝はその目的、主たる対象(たとえば、年齢層、性別、地域等々)を明確にしたうえで打つ必要がありますが、それだけではなく、その結果を測定・評価することでより効果的な広告宣伝につなぐことができます。広告宣伝を打ちっぱなしで効果の測定・評価を行わないのは大きな損をしているのです。
広告宣伝の効果測定、評価のためによく使われる方法に「CPA」、そして「ROAS(ロアス)」「ROI(ロイ)」があります。
広告、マーケティング業界の用語には欧米、とくにアメリカ式のものが多く、そのためカタカナ、英語が多くなります。それぞれについて見ていきましょう。
基本的な測定方法①
■CPA(Cost per Action / Acquisition)
CPA(コスト・パー・アクション)は1つのAction(アクション)につき、どのくらいのCost(コスト)を要したかを見るために用います。そのため「顧客行動単価」と訳されます。
広告宣伝費が10万円、それに対するアクション、たとえばお客さまの来店件数が10件とすれば「10万円÷10件=1万円」。お客さま1人の来店というアクションにつき、広告費1万円を要したことになります。アクションが20件であれば「10万円÷20件=5000円」となります。
CPAにはもう一つあり、それが「Cost per Acquisition(コスト・パー・アクイジション)」です。
「Acquisition(アクイジション)」は「取得」「獲得」という意味ですが、新規のお客さま1件を獲得するために、いくら費用がかかったかを測定するために用いられ、「新規顧客獲得単価」と訳されます。
広告宣伝費が10万円、それに対し新規のお客さまの来店件数が10件とすれば「10万円÷10件=1万円」。1人の新規顧客獲得に1万円を要したということになります。
なぜ「顧客行動単価」と「新規顧客獲得単価」を別々に測定するかというと、広告宣伝の目的とその効果を明確にするためです。
新規顧客獲得を目的に広告宣伝を打ったとしましょう。そして、お客さまの来店数が増加したとします。お店とって嬉しいことに違いありませんが、新規のお客さまの来店数が少なければ、その広告宣伝の効果を高く評価することはできません。
次回、新規顧客獲得を狙った広告宣伝を打つ際には、この結果をもとに別のアプローチを検討することになり、検討を加えた広告宣伝はより良い広告を目指すことができます。
基本的な測定方法②
続いて「ROAS(ロアス)」と「ROI(ロイ)」について見ていきましょう。
■ROAS(Return on Advertising Spend)
ROAS(ロアス)は「投資した広告宣伝費の回収率」を表します。計算式は「広告による売上÷広告費用×100%」。
この数値が高いほど、広告宣伝費の費用対効果がよいということになります。
広告による売上20万円、広告宣伝費が2万円とすれば、「20万円÷2万円×100=1000」。広告宣伝費に対し10倍の売上が獲得できたということになります。あるいは、広告宣伝費1円につき10円の利益が生れたということです。
■ROI(Return on Investment)
ROI(ロイ)は「投資した広告宣伝費の収益率」を表します。計算式は「広告による利益÷広告宣伝費×100」となります。
ROI(ロイ)とROAS(ロアス)を併用することで、広告宣伝の効果をより明確に把握することができます。
たとえば単価1000円の商品を100個販売し、それにかかった広告宣伝費が5万円だったとしましょう。1000円の商品100個で10万円ですから、ROAS(ロアス)は、「10万円÷5万円×100=200」。広告宣伝費に対し2倍の売上が獲得できた、あるいは、広告費1円につき2円の効果があったということになります。
同じ条件でROI(ロイ)を見てみましょう。この場合「広告による利益」は、「売上10万円-広告宣伝費5万円=5万円」です。
すると、ROI(ロイ)は「広告による利益5万円÷広告宣伝費5万円×100=100」となります。広告宣伝費に対し1倍の売上、広告宣伝費1円に対して1円の効果ということになります。
ROAS(ロアス)だけを見ると、広告宣伝費の費用対効果が良いように見えても、実際の利益に対しては良くないことがわかります。
以上、広告宣伝の効果測定・評価の基本的な方法を見てきました。測定・評価をもとに、より効果的な広告宣伝を行っていきましょう。