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山下嘉範

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山下嘉範(やましたよしのり) / 経営コンサルタント

株式会社人間駐車場

コラム

広告宣伝における費用対効果の捉え方

2018年12月17日

テーマ:広告宣伝の知識・ノウハウ

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 広告 マーケティング広告 種類

広告宣伝にかける費用とその効果については、どのように捉え、考えたらいいのでしょう。「コンバージョン(conversion)」「ロアス(ROAS)」など、広告宣伝の効果の測り方について見ていきましょう。

あるお店の事例

ある飲食店が来客増を期待してチラシを配布しました。しかしその結果はおもわしくありません。来客数にあまり変化は見られないのです。

この場合、お店の広告宣伝は失敗したということになるでしょうか。例えば、そのために3万円をかけたとして、その3万円はムダになったということでしょうか。
一見するとそう評価できそうです。しかし、失敗とばかり言えないところに広告宣伝における費用対効果測定の難しさがあります。

というのは、来客増には至らなかったとしても「お店の存在を知ってもらう」という点でまったく効果がなかったとは言い切れないからです。お店の経営にとって、自店の存在を知ってもらうことは非常に重要です。チラシを受け取った人の中には、その時はじめてそのお店を知り「いつか行ってみよう」と思った人がいることも十分に考えられます。

すると、この場合の広告宣伝の効果としては、来客増を狙った広告宣伝としては失敗であった。しかし、お店を知ってもらうという点では全面的に失敗という評価にはならない、という考え方ができます。

また、こうしたこともあります。あるブティックが新規顧客獲得を狙って広告宣伝に10万円かけたとしましょう。その結果、5人の新しいお客様が来店したとします。
さて、その評価ですが、5人の新しいお客様を得たという点では広告宣伝の効果があったと一応は評価できそうです。

しかし、5人のお客様がそのお店で使ったお金がそれぞれ1万円とした場合はどうでしょう。広告宣伝費10万円に対し、売上は5万円という計算になり「赤字が出た」ということになります。

広告宣伝の効果をどう測るか

広告宣伝の効果を測るのは簡単ではありません。しかし、広告宣伝にかけた費用に対しどのような効果が得られたかを測ることは非常に重要です。

広告宣伝の効果を測るうえでよく使われる言葉に「コンバージョン(conversion)」があります。「conversion」は「転換する」という意味です。誰が何を転換するかと言えば、「誰が=一般消費者」が「広告する側にとって利益になる行動をとる」、そのように態度を転換するということです。

もう少し具体的に見てみましょう。
A旅行会社がインターネットに自社の広告を出しました。インターネットで「旅行」と検索すると、検索結果画面にA旅行会社のページにつながる広告が表示され、クリックするとA旅行会社のページが表れます。A旅行会社はこのために10万円かけたとしましょう。

家族旅行を考えているBさんがパソコンで「旅行」と検索し、A旅行会社のページに行き着き、そこにある旅行プログラムに興味を持ったので、ページに表示されている「資料請求」をクリックしました。これが1つのコンバージョンです。

A旅行会社は10万円かけているわけですから、もし100件のコンバージョンが得られた場合、1コンバージョン単価は10万円÷100件=1000円となります。

では、100件のうち3件が成約に至ったとしましょう。旅行代金が5万円とすれば、5万円×3件=15万円になります。A旅行会社の広告の費用対効果はどうなるでしょう。

「ロアス(ROAS)」という計算方法があります。「Return on Advertising Spend」の略で「投資した広告宣伝費の回収率」という意味です。計算式は「売上÷広告宣伝費×100」。この数値が高いほど広告宣伝効果が高いということになります。

A旅行会社の例では「売上15万円÷広告宣伝費10万円×100=150」という数値になります。

費用対効果

広告宣伝における費用対効果の捉え方

広告宣伝における費用対効果については、冒頭にご紹介した飲食店、ブティックの例のように、効果をどういう観点で捉えるかということも大切ですし、旅行代理店の例でご紹介したコンバージョン単価という捉え方、また「ROAS」による測定も大切になります。

そして、より重要なことは「広告宣伝を打った。その結果、売上げが伸びた。よかった」。その反対に「広告宣伝を打った。なのに売上が伸びない。広告宣伝はムダだった」。そうした大括りな捉え方では、広告宣伝における費用対効果が測れないのはもちろん、効果的な広告宣伝ができないという点です。

広告宣伝の費用対効果の測定は簡単ではありませんが、一方で広告宣伝による効果は実感として感じられるものです。その実感を客観的に分析しみる、広告宣伝の費用対効果を測定してみる、そのキメ細かさがより効果的な広告宣伝につながるのです。

広告宣伝には、その目的やターゲットに合ったさまざまな広告媒体があります。その選択、また、広告宣伝を打つ時期や地域、あるいは広告宣伝物のクオリティーなど、広告宣伝の費用対効果の測定は、より効果的な広告宣伝のために必要なあらゆることに関係してくるのです。

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