ネットでの広告宣伝手法の種類とその特徴
広告宣伝、広報PRの違いを端的に表すと、広告宣伝は、宣伝する商品のアピール点などを打ち出すのはその商品を制作・販売している会社です。広報PRはメディアなどで、第三者を介した宣伝になるということです。ちょっと見るとおなじものに見える広告宣伝と広報PR。その違いを確認してみましょう。
広告宣伝と広報PRの効果
広告宣伝と広報PRには、あらためて「その二つはそれぞれ違うもの」と言われると、「え?」となってしまうところがあります。「同じじゃないの? 違うの?」、重ねてそう言いたくなる方もいらっしゃるでしょう。
その理由は、広告宣伝と広報PRによる効果のある面だけを取り上げれば、非常に似通ったところがある、という点にあります。
たとえば、ある製品(商品・サービス)の良さを多くの人に知ってもらいたいと考え、広告宣伝を出した。すると多くの人がその製品の良さを知ることになった。これは広告宣伝による大きな効果です。
また、広報PRによって、その製品の良さを多くの人が知ることになった場合、これは広報PRによる大きな効果です。
つまり、広告宣伝によっても、また広報PRによっても、その製品(商品・サービス)の良さを多くの人に知ってもらうことができた、という面では同じ効果があったと言えるわけです。
しかし、ここには大きな違いがあります。
いま「製品の良さを多くの人が知ることになった」と言いましたが、「製品の良さ」にはさまざまな面があります。あなたが自社の製品(商品・サービス)を広告宣伝する場合、その良さのうちどの点を強くアピールすればいいか、あるいは、どういう表現で強調すればいいか、また、他社製品との違いをどのようにユーザーに伝えたらいいか、といった点が重要になります。
そして、どの点を強くアピールするか、どういう表現にするか、また、他社製品との違いのなかでもどこにスポットをあてるかは、広告宣伝のために費用を使うあなたの会社が判断することになります。
しかし、広報PRの場合、そうした判断は、あなたの会社の製品をPRするメディアに任せられることになるからです。
情報のコントロールについて
あるお店が、人気メニューのハンバーグをもっと多くの人に知ってもらいたいと思っているとしましょう。お店としてはハンバーグに使用しているお肉の良さを第一にアピールしたいと考えています。
広告宣伝の場合、お店が「上質のお肉を使っていること」を第一にアピールしたいと判断すれば、たとえば「AAAランクのお肉を使用」といった点を強く推し出した告宣伝を行うことになるでしょう。
しかし、広報PRの場合、メディアが同じハンバーグを取り上げたとしても、ハンバーグの大きさ第一にし、お肉の質については第二の情報とすることも考えられます。
つまり、広告宣伝の場合、伝達したい製品(この場合はハンバーグ)の良さ、そこにある種々の情報(お肉の良さ・ハンバーグの大きさ・値段等)について、そのうちのどの点を第一に強調するか、どの点を第二にするか、情報のコントロールは、広告宣伝を出すお店の判断によります。
それに対し、広報PRの場合、そうした情報のコントロールをお店はできない、ということです。
結果としてお店のハンバーグを多くの人に知ってもらうことになった、その効果については広告宣伝、広報PRとも同じですが、ハンバーグに使っているお肉の質の良さが印象に残るか、ハンバーグの大きさが印象に残るかという点で違いが生じることになります。
受け手の印象の違い
また、広告宣伝も広報PRも、ある製品(商品・サービス)の情報を提供するわけですが、受け手の印象に違いがあります。
ある会社、あるお店が「ウチの会社の製品は良い」「ウチの店のハンバーグは良い」と広告宣伝によって提供する情報よりも、広報PRによる情報のほうが、受け手にとっての信頼度が高いのです。
なぜなら、広告宣伝が提供する情報が広告を出す側(ある会社・あるお店)の主観的な情報であるのに対し、広報PRによる情報は、メディアを介した情報、第三者を経由した情報だからです。
第三者を介した情報とは、たとえば「口コミ」による情報もそうです。口コミの信頼度の高さ見れば、第三者を介した情報の信頼度の高さをご理解いただけると思います。
ちなみに、広報PRの「PR」は「Public Relations」の略です。直訳すれば「社会との関係」。よりくだいて言えば、「社会の人々と共通の理解・信頼関係を築くためのコミュニケーション」ということになります。
広告宣伝と広報PRは、結果としての効果に似ている面はあるものの、やはり別のもの、違ったものなのです。
また、広告宣伝と広報PRは伝える場所にも違いがあります。広告宣伝は、テレビCMや新聞雑誌、ネット広告の広告枠が情報を伝える場所になりますが、広報PRはメディアの報道、口コミ、専門家による紹介記事などが情報を伝える場所になります。
以上、広告宣伝と広報PRの違いを見てきましたが、二つの違いを知ることで、より効果的な広告宣伝、より効果的な広報PRの使い方が見えてくるのではないでしょうか。