業界別、広告宣伝費と予算
事業の継続的な発展に広告宣伝は欠かせません。その広告宣伝の定義は何でしょう?
「広告宣伝?」知ってはいるけれど
「広告宣伝」と言われてすぐに思いつくものがありますね。テレビに流れるCMもその一つですし、パソコンを開きインターネットにアクセスすれば多くの広告宣伝が目に入ります。
電車に乗っても動画による広告あり、中吊り広告あり、ホームには大きな広告看板があります。新聞・雑誌にも広告があり、ラジオを聞けばやはり多くの広告を耳にすることになります。
そのため、私たちは「広告とは何か」という点については、具体的な「モノ」として数多くの事例を知っており、また、広告宣伝の目的も感覚的に知っていると言うこともできるでしょう。
しかし、「では、広告宣伝とは何か」と言われると、言葉によって明確に話すのは難しいということになります。
もちろん具体的な「モノ」を知っていて、また、その目的も感覚的に知っていれば広告宣伝については、それで十分という考え方もあるでしょう。しかし、広告宣伝を受け取る側ではなく発信する側に立つ場合はどうでしょう。
広告宣伝の「定義」を追究してみることは、決して無駄なことではありません。
広告宣伝の定義
しかし、広告宣伝について一つの定義があるかといえば、そうも言えないのが実状です。
人によって、あるいは組織によって、それぞれ違いがあるからです。ここではアメリカマーケティング協会による広告の定義を参考に考えてみましょう。アメリカマーケティング協会は、広告を次のように定義しています。
広告とは、
「特定のスポンサーによるアイディア、製品(商品)、サービスの有料形態による人を介さない提示や促進活動」
では、この定義を区切りながら、そのポイントを見てみましょう。
(1)「特定のスポンサーによる」
つまり、誰が広告しているかが明らかである、ということです。
(2)「アイディア、製品(商品)、サービスの」
これは文字通り、広告を出す側が発信する内容と受け取っていいでしょう。
(3)「有料形態による」
つまり、無料ではなく「有料」ということです。
(4)「人を介さない」
人を介さず、何を介するかと言えばテレビやインターネット、新聞・雑誌・ラジオ等々、つまり「媒体」を通じてということです。
(5)「提示や促進活動」
この部分の原文は「presentation and promotion」となっており、訳文も「プレゼンテーションやプロモーション」としたほうが分りやすいかもしれません。多くの人に示し、薦め、促すということです。
さて、この定義に沿って、たとえば「あなたがコーヒーショップのオーナーとして、お店の広告宣伝を出す場合」を考えてみましょう。
すると、あなたが「特定のスポンサー」として、あなたのお店の「コーヒー(商品)やサービス」を、広告宣伝のための「代金を払って」、営業マンなどによる人的な活動ではなく、テレビやインターネット等の「媒体」を通して、人々に「提示し薦める」ということになります。
「定義」からわかること
「なんだ、そんなこと分かりきったことじゃない」
そんな声が聞こえて来そうです。しかし、先ほど挙げた5つのポイントは、広告宣伝を受ける側ではなく、広告宣伝をする側に立った場合、非常に重要です。
たとえば「特定のスポンサーによる」ということは、その広告宣伝は「特定のスポンサー=広告主」であるあなたによるものであり、それは同時に責任の所在もあなたであるということになります。
実際の「製品やサービス」と広告宣伝の内容が違っていた場合、その責任は「特定のスポンサー」であるあなたが負うということです。
広告主には責任がある
時折、テレビCMが批判を受け放映中止になることがありますね。実際には広告代理店、代理店から発注を受けた制作会社が作ったものにしても、批判はそのCMのスポンサーに集まります。スポンサー=広告主としての責任があるということです。
また、「有料形態」であるわけですから、広告宣伝にかけるお金とその効果については十分に考えることになるでしょう。そして、「人を介さない」ということは、対人販売のような臨機応変の対処はできないということです。
そのため、広告宣伝を出す前に、主たる対象を絞り込むなど事前にしっかり考えることになるでしょう。また、その対象に合った「提示や促進活動」を検討することになるでしょう。漫然と「広告宣伝すればいい」とはいきません。
広告宣伝の目的は、「アイディア、製品、サービス」の認知拡大、購入促進、リピート率増加など、さまざまに細分化することができますが、いずれにせよ広告宣伝した「アイディア、製品、サービス」に対し、多くの人が対価を払ってくれるようにすることです。
先にもお話したように、広告宣伝の定義は一つではありません。しかし、少なくともここに挙げた「定義」が示す5つのポイントについては、十分に考慮すべきでしょう。また、広告宣伝をする側に立つ場合、その定義を知っているのと知らずにいるのでは、大きな違いがあるのです。
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