自閉っ子の通訳案内人

木村知子

木村知子

テーマ:発達障害児の子育て

まちるどのサポートの一つに「自閉スペクトラム症児(以下、ASD児)と定型発達者の通訳」というものがあります。

通訳
私はいろんな側面を持っていて、ASD特性、ADHD特性、風変り、エキセントリックで失敗談も多々あります。アスペルガーの人たちも大好きで独創性、彼らの見ている視点、考え方にとても興味があります。その一方、定型発達の社会で過ごしてきて社会人経験、起業経験、親経験もあります。いわゆる空気を読む、みんなに合わせる、出すぎないという日本独特の文化も長年経験してきました。そしてそのような自分の特性、知識、経験を使ってたくさんのASD児、親たちの支援を続けてきました。そんな中でできるようになったのが「ASD児と定型発達者の通訳」です。

特にASD児の子育てにおいてお母さんたちから「子どもの〇〇が理解できない!」というご相談をたくさんいただきます。お母さんは子どもに対して「なんでそんなことをするの!」「あなたの言っている意味がわからない!」と烈火のごとく怒っているのですが、私から見るとお母さんの言動の方が不思議です(笑)。その言い方は伝わらないなぁとか、子どもはなぜお母さんが怒っているのかわからないよ…と思ってしまうので、それを正直にお母さんに伝えます。するとお母さんたちは口をあんぐり開けて言葉を失ってしまいます(苦笑)。でもすぐに、なるほど~と大笑いするお母さんもいます。

自閉症者と定型発達者の世界はまるで違います。私はそこを行ったり来たりするので忙しいです。でも最近は慣れました。だんだん慣れてきて瞬時に対応できるようになりました。そうしたら通訳ができるようになりました。私の頭の中ではASD児の言葉と定型発達者の言葉が日本語と英語のようにそれぞれ独立したタンクに分かれて保存されています。私は自閉症者と話すときは自閉の世界、定型者と話すときは定型の世界、それぞれの世界に入ってコミュニケーションを取ります。だからその違いを知らなければコミュニケーションがうまくいかないことは簡単に想像できます。アメリカ人に日本語が通じない!と言っているようなイメージでしょうか。そこでお母さんたちに子どもの言葉の意味を説明します。すると気分がスッキリして子どもと仲良くできます。ただ単にそれを知らなかっただけなんですね。子どもを理解することは良好な親子関係にとても大切です。子どもの気持ちを知りたい!と思われるお母さんはぜひ一度ご相談ください。子どもの声を代弁しますので、良い親子関係の構築を目指せます。

<おまけ>
自閉っ子がどう考えているのか、いくつか例を挙げてみましょう。ママも子どももお互いに"えぇ~!!"となるかもしれません。(自閉症をひとくくりにはできませんので気持ちはあくまでも一例です。それは定型発達者も同じです)

☆学校編
(登校について)
<定型発達者>学校に行くことが当然だと思っているので自動的に登校できる。行きたくない、面倒くさいという感情はあっても仕方なく行ける。
<ASD児>「なぜ行かなければいけないのか」をいちいち考える。自分にとって意味がないと登校できない。
☆定型発達者からすると言い訳がましく、怠けているように見える。

(学校生活)
<定型発達者>自分は行きたくなくても友達とトイレに行く(特に女子)
<ASD児>一人でトイレに行く(ちなみに登下校も一人)
☆自閉っ子からすると意味もなく群れる意味がわからない

(先生との関係)
<定型発達者>先生の言うことを素直に聞く。何か質問はあるか?と聞かれて、教科書外の質問をしようとはしない。
<ASD児>先生は何でも知っていると思っている→先生が知らないことを質問して怒られる。先生の間違いにツッコミを入れる→先生から「馬鹿にするな」と怒られる。
☆定型発達者に空気が読めないと言われる

(評価法)
<定型発達者>高学歴、高得点は褒められる。テストの点につながらない探求心は無駄だと思われている。
<ASD児>自分の得意があれば満足。好きなことへの執着は負けない!

(対人関係)
<定型発達者>感情に一貫性がない(例:昨日はAくんと仲良し、今日はBちゃんと仲良し)→自分の気分次第で周りへの対応が変わる(暴言、嫌味、皮肉、ハラスメントなど)
<ASD児>感情に一貫性がある(例:昨日は学校の隅の場所が好き、今日もそこが好き)→周りの状況の変化で自分への対応が変わる(自傷、自責、罪悪感、自己嫌悪など)

まだまだたくさんあります。自閉っ子のなぜ?を知りたいお母さんはぜひ一度お越しくださいね!お待ちしています!

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木村知子
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木村知子(子育て&学習支援トレーナー)

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