海外調達で起こること 1 < クーリエの国内配達 >
関税率と統計品目番号
「関税が掛かる」といいますが、実際に関税はどのように掛かり、計算されるかを紹介します。
下の【輸入許可通知書】をご覧ください。
これは税関が発行するいわば請求明細書です。
注目すべきポイントは、
・関税の根拠となる税票番号、
・関税率、
・輸入消費税額
の計算です。
ここには、
・(統計品目番号表の)税表番号:6217.10に該当し、
・関税率:9%を適用し、関税額は(申告価格✕9%)、
・(申告価格✕1.09)したものを輸入申告価格として消費税額を計算する、
とあります。
さてこの輸入には続きがあります。
初回は評価用サンプルを無償で、2度目は量産を見据えて1箱分を有償で輸入しました。
その結果が上の通知書です。
関税がかかるような物品であったか?
⇒ 統計品目番号表から自分なりにチェックし、関税がかからないと確信した。
何故関税がかかったか?
⇒ INVOICEに記載する品名の名付けをShipper任せにしたところ、税関がその品名を関税
対象区分に仕分けした。
その後税関に「部品の写真」と「用途」を送付して相談したところ
・関税がかかる物品ではないこと、
・INVOICE記載の品名で仕分けしていること、
・この様に品名を書けば、今後関税区分に仕分けられることなく通関できること、
・より安全を見るならこのHSコードを併記すること、
・関税還付の案内、
をアドバイスしてもらいました。
これで本量産から安心して輸入できます。
過払い分の回収
過払いになった関税と輸入消費税は、再通関して取り戻すことができます。
ただそれには条件があります。
・輸入通関した税関まで出向き、
・自らの手で手続きしないといけない。
今回の場合ですと、関空まで行って手続きすることになります。
しかし回収する金額以上に費用と時間を要することから訪問を断念しました。
みなさんはこうしたことがないようお気を付けください。
特に加工品の名前は図面に書いてあるものをそのまま英訳せず、少し説明を付けるくらいの長っ
たらしい品名にするのがベターです。
このように知らぬうちに関税を支払っていないか、必ずチェックしましょう。