学生時代の勉強が役に立つ。(薬局とヘロンの公式)
中学受験を現場で使う。
食塩水を混ぜたり、薄めたりする問題は中学受験の算数では定番の問題です。色々な解き方がありますが、中には小学生独特の解法もあります。その一つに天秤を使う方法があります。
「10%の食塩水100gと15%の食塩水300gを混ぜると何%になりますか?」という問題を小学生は天秤の図を使って、いとも簡単に解きます。
2種類の食塩水の濃度と重さを下図のような天秤に見立てて、釣り合う支点が混合した時の濃度になるという考え方です。
図の2本の矢印から分かるように10%と15%は100g:300gで混ざっているので、出来上がった濃度までの距離は、その逆の300:100(3:1)になります。
10%から15%までは5%の幅なので、それを3:1に分けて、そのうちの3を10%に足した値が答えになります。
5 ÷ 4 x 3 = 3.75
10 + 3.75 =13.75%です。
ここまでは机上の問題です、実際役に立つのは中学入試の時くらいです。
コロナウイルスに対する消毒の必要性が言われているこの困難な時にこそ、実践しましょう。
もし無水エタノール(99.5%)や局方エタノール(96%)が入手出来たら、計算して消毒用のエタノールを作ってみましょう。
消毒用エタノールの濃度を80%とすると、局方エタノール500mlを使ってどう作るか?
水を加えるのですが、上記の計算では水を加える場合は0%の食塩水(エタノール)と考えます。
つまり、「96%のエタノール500mlに0%のエタノール(つまり水)を□ml加えたら80%の消毒用エタノールができますか?」
図から
80 : 16 = 500 : □ この比例式の解き方は 内 x 内 = 外 x 外
(ちなみにこもれび理数塾では「うちはうち、よそはよそ、そんなわがまま言うんやったら、よその子になりなさい」と教えています。
80 x □ = 16 x 500
□ は16x500÷80=100mlとでます。
つまり、96%のエタノールが500mlあれば、それに水100mlを加えれば、80%のエタノールが出来ます。
キッチンハイターに入っている次亜塩素酸ナトリウムは消毒用エタノールの代替品です。
キッチンハイターは濃度が6%、実際にドアノブに使用するには0.05%に薄めます。
「キッチンハイター(6%)10mlに水を何ml加えると、消毒用の次亜塩素酸ナトリウムになりますか?」
図のように0.05:5.95=1:119=10ml:□
□=1190mlと簡単に計算できます。
つまり、6%の次亜塩素酸ナトリウム10mlに水を1190ml加えれば希釈できます。
注意事項
次亜塩素酸ナトリウムは時間と共に濃度が落ちていくので、厚労省と経産省では水1Lに25mlのキッチンハイターを混ぜて希釈する方法を薦めています。(購入後3ヶ月以内は水1Lにキッチンハイター10ml)
感染防止対策チラシ
受験の為だけに勉強するのはもったいない、実践してこその学問です。
役に立ってこそ、さらに勉強するモチベーションも高まります。
※食塩水は (重さ)/(重さ)%
※エタノールは (体積)/(体積)%
※次亜塩素酸ナトリウムは (重さ)/(体積)%
小学生は(重さ)/(重さ)%しか使いませんが、あとの2つの場合にもほとんど同じように計算していますが実用的には問題ないと思われます。