【マーケティング小噺#37】 P&Gの年度計画立案スケジュール
私はP&Gに17年半勤めておりました。
後半の約10年は洗濯関連用品部門がグローバルで行った家電メーカー、
衣類メーカーとの戦略的コラボの、アジア地域と日本
・韓国メーカー担当のリーダーをしていました。
このプロジェクトの目的は「最高の洗剤を提供する」ことを超えて
「最高の洗濯を提供する」ことでした。
洗濯は洗剤だけでなく、洗濯機や水、電気、時には“自分の手”など
いろいろなものを使います。
洗われる側の衣類も、普通に洗えるもの、手洗いのもの、
ドライクリーニングのみのものなどいろいろあります。
そこで洗濯機メーカー、衣類メーカー、洗剤メーカーが専門分野の知恵を出し合って、
「お気に入りのお洋服を、なるべく長く、買った時の状態に保つ」
という洗濯の究極のゴールを目指しました。
その結果というと言い過ぎかもしれませんが、この活動も一因となり、
2つの大きな変化が日本のお洗濯に起きました。
1つは「ドラム式洗濯機の普及」、もう1つは「衣料用液体洗剤の普及」です。
二槽式洗濯機に4.1キロの大きな粉末洗剤を抱えてザザッと投入していた時代とは
隔世の感があります。
日頃は、自社・自分の仕事や製品に集中しがちです。
ご自身のお仕事を30メートル上空から眺めて、一緒に使われている、
また関連している商品やサービスを考えてみると、
変革のチャンスを見つけられる可能性が高まるのではないでしょうか。