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桃谷修司プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

【マーケティング小噺#30】 機能・便益の階層とイノベーション

桃谷修司

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テーマ:商品企画

機能・便益の階層とイノベーション
化粧品、日用雑貨、調味料、髭剃りの歯など自分で選んで定期的に買われている商品がありますよね。

皆さんに2つ質問です。
①その商品を買っている理由はなんですか?思いつく限り挙げてください。
②挙がった理由に優先順位を付けてみてください。
例えば、エアコンなら「部屋の温度を調節する」と「自動でお掃除する」
ではどちらが皆さんにより重要でしょうか?

改めて整理してみると、商品・カテゴリーの機能・便益には階層があることに気付きます。
下から①安心安全、②基本便益、③付加便益となります。

①は当たり前すぎて意識しない人が多いです。
②はその商品を使う最も重要な理由です。洗浄剤であれば「汚れを落とす」。
③はプラスアルファの機能。香りがよい、パッケージデザインがよい、除菌ができる、
などです。
香りはいいのだけれど汚れ落ちが満足できないシャンプーを買う人は少ないです。

商品市場が成熟すると、③が注目されがちです。
基本的機能はみんな満足している、何か新しい切り口が必要だとなります。
そんな時こそ、①や②でイノベーションを起こせないかを検討することもお勧めします。

ジョイは競合が「手に優しい」と③を訴求していた時に「油汚れにジョイ!」と
②で革新を起こし、シェアトップになりました。
「汚れ落ちはこんなものね。だったら、手に優しい方がいい。」と思っていた消費者が、
「もっと汚れが落ちるのなら、そっちがいいわ。」となったわけです。

そして、競合が汚れ落ちを訴求し始めたら、「スポンジの除菌ができる」と
③の便益を提供しました。常に半歩先を行っていたわけですね。
派手ではないですが、立派なイノベーションです。

皆さんもご自身が参入している商圏・市場で今は②と③のどちらが主になっているかを理解してみて、
その反対で新しい、またはよりよい機能・便益を提供することを目指してはいかがでしょうか?

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桃谷修司
専門家

桃谷修司(プロマーケター)

顧客価値共創堂

世界規模と中規模の企業で、新商品・新事業開発を主導。その経験から、大企業のノウハウをベースに、中小企業が顧客ファーストの商品・サービスと販売計画を生み出せるプロセスと組織作りを支援する。

桃谷修司プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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