【マーケティング小噺#7】 「Consumer is Boss」のもう1つの意味
私が会社員時代からできるだけやろうとしていたマーケティング業務の1つに「店頭観察」
があります。
P&G時代なら洗剤売場、「味の素」の家庭用商品の部署にいた時代なら、食品の売場に行き、
自社・他社のどんな商品が棚のどのあたりで売られているか、どの商品が特売になっていて、
いくらか、などを何軒も見て回ります。
訪問したお店で担当商品が優遇されていると「よしっ!」、
扱われていなかったりすると「ガーン!」となります。
担当商品を買い物カゴに入れてもらえると、お客様をハグしたくなります
(もちろん、しません)。
POSレジが普及している現在、販売情報を会社に居ながら数字で簡単に見ることもできます。
商品Aは大型スーパーの80%で取り扱われていて、平均単価は216円など。
そのような数字のデータを理解することはもちろん重要なのですが、
売り場でしかわからないものもたくさんあります。
例えば、お客様はどの売り場を回ってから「CookDo」売り場に来たとか、
「20%オフ」のシールが貼られるのを、うろうろしながら待っている、とか。
洗剤や化粧品売り場も面白いです。多くの人が、液体製品の蓋を開けて、香り・臭いを
確かめます。こういう「あるある」を知っていることがお客様の共感を得る
コミュニケーションにとても有益です。
皆さんも、ぜひ売り場や競合のサービスが提供されている場所に定期的に行ってください。
必ず感じられるものがあります。最近は店内カメラやセンサーでデータとしてみられるように
なってきましたが、現場で生の息づかいを感じてください。
残念なことに、これを重要と思わない上司や部下もいました。
「ビジネスは会議室で起きているんじゃない!現場で起きているんだ!」って、
ガツーンと言ってやろうと思いました。
が、小心者なので、言えませんでした(笑)。