【マーケティング小噺#8】 満足度を聞くのは難しい。
P&Gに勤めていた時、家電メーカーさんと食器洗い乾燥機(以下、食洗機)を
普及させるための計画を考えたことがあります。
食洗機は発売以来、手洗いより高い洗浄力、節水、大容量でコンパクトなど
機能を訴求して、順調に売上と普及率を伸ばしていたのですが、
ある時点で踊り場となりました。そこで、家電メーカーと行ったのが、
愛用者カード(当時は、はがきです!)の分析です。
実際に購入したお客様の購入理由を理解して、そこを重点的に訴求しようと考えたわけです。
まず、食洗機購入者には2つの大きなグループがあることがわかりました。
1つはシニア層。もう1つは小さなお子さんのいるご家庭でした。
そこに書かれていたことは優れた機能だけでなく・・・、
「食洗機を買って、子どもとの時間を増やすことができた。」など
子どもとの生活シーンのことでした。
お話しをお伺いすると、さらに深い本音が見えてきました。
「子どものためににベストを尽くしたいと心から思っている。
同時に、『子どもが生まれて、すごくやることが増えた。しんどいなあ』も
正直な気持ち。自分が楽をするために高価なモノを買うことに罪悪感があった。
『〇〇ちゃんのために』と思ったら決心できた。」
その家電メーカーは、その後「子育て家電」という名のマーケティングキャンペーンを行い、
シェアを大きく伸ばしました。
キーメッセージは;
〜 機械にできることは機械にさせて、あなたはあなたしかできないことをしてください。〜
いかがでしょうか?