【マーケティング小噺#7】 「Consumer is Boss」のもう1つの意味
一般消費者としてアンケートに答える時に、頻繁に回答に困ってしまう質問があります。
それは、満足度に関する質問。
「満足」とは、辞書では「満ち足りていること」、つまり100%願いが叶っている状態
と書かれています。しかし、満足度に関する質問の選択肢でよく見るのが、
「とても不満 → 不満 → やや不満 → どちらでもない → やや満足 → 満足 → とても満足」。
「これを点数で表すとしたら、どんな数字にすればいいかな?」って、いつも迷います。
「不満がマイナスの点数だとしたら、どちらでもないは0点? でも、評価0点だったら、怒るよなあ」とか、「満足が満ち足りている、つまり100点なら、とても満足って何点?」とか。
私は、この質問と選択肢は、人によって回答の基準が違う可能性が高いのではないかと考えています。そして、その回答から仮説を作ったり、判断したりするのはちょっと危険ではないか、と。
では、どうしたらよいか?
私は、「期待と比較」してもらうようにしています。
例えば、「期待外れ → やや期待外れ → 期待通り → やや期待以上 → 期待以上」。
人は何かを評価する時、ほとんどの場合、自分の中にある「期待」と比べます。
技術的にとてもすばらしい製品も、使う人の期待が高くて、それに到達できなければ、がっかりされてしまいます。性能が低くても、期待が低ければ、満足を得ることもできます。
期待と実際のギャップの程度を理解することが肝要です。