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商標権と著作権の関係

岩崎吉男

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テーマ:商標の基礎知識

今回も商標権と著作権の関係についてです。
あるお客様から「一緒にバンド活動をしていて当時私のデザインしたものをバンドのロゴとして使っていました。そのロゴがバンド解散後も残ったメンバーが勝手に使っています。私はこのロゴを自分のバンドで使いたいので、商標登録をお願いします。」
という依頼を受けたことがあります。

この場合、どんな問題が発生するのかを考えてみます。
今そのロゴを使っているバンドが「音楽の演奏」についてそのロゴを商標登録出願したとします。
商標法には「他人の著作物のパクリは登録できない」とい趣旨の条文がありません。ですからそのまま登録されてしまう可能性はあります。
もし、そのような条文があっても全ての著作物の著作権者を調査するのは不可能でしょう。

ただ、その商標が例えば「鉄腕アトム」の絵そのままであったりすると、明らかに著作権者は別の人であると分かっていますので、この場合は、第4条の
「公序良俗違反」という規定で登録を受けることはできません。

では、著作物が著名でなかった場合にもし登録されてしまったら、パクッた商標権者が自由にその商標を使えてしまうのでしょうか?
もし、使えるとなるとこれはおかしいですね。
そこで、商標法は第29条に
「商標権者は・・・他人の著作権と抵触するときは、その抵触する部分について・・・登録商標を使用することができない。」
と規定しています。 

もし、他人が自分の著作物をパクって商標登録してしまってもこれで守られます。

ただ、自分が著作権者であることを証明する必要はあります。
著作権は、創作した時点で無登録で発生する権利だからです。

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岩崎吉男
専門家

岩崎吉男(弁理士)

ナレッジ特許&技術士事務所

商標登録の事前調査無料、出願手数料無料の完全成功報酬型。登録時の費用も格安に設定し、体力のない中小企業・個人事業主を支援している。出願は最短2日で完了。文字やマークのデジタル化にも対応している。

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