経営者に行って欲しい、離職が続く会社の考えられる原因とその対策
新入社員として入社した時はやる気に満ち溢れているのに、月日が経つにつれて、どんどんやる気が失われていく社員の方々を拝見する事があります。
そしてその様な社員さんが多くいる組織の管理職の方々は「うちの社員はやる気がなくて困っているんです・・・」と言われます。
「あんなにやる気に満ち溢れていたのに・・・」と心の中で思いつつ、管理職の方々に投げ掛けさせて頂く質問があります。
それは
「やる気がない社員を採用されたのですか?
それともやる気をなくさせてしまったのですか?」
というものです。
本当に人手不足でどうしようもない、という場合を除いて、あからさまにやる気のない人を採用する事はないと思います。
つまり多くの場合やる気をなくさせてしまっているという事です。
やる気がなくなる2大原因
1.関わり方に問題がある
2.組織風土に問題がある
➢1.関わり方に問題がある
関わり方に問題がある場合、様々な原因がある為、一概に「これが問題で、この様にすれば解決できる」という単純なものではありませんが、もし関わり方に問題があると思われる場合、着眼点として持って頂きたい2つのポイントがありますので、まずはそれをご紹介させて頂きます。
着眼点① マイナスの空気感
「疲れた」「面倒くさい」などのマイナスの言葉が口癖になっている社員が一人いるだけで、その社員の後輩たちはマイナスの空気の影響を受けますし、この様な発言だけでなく、「あくび」や「だらだらした行動」もマイナスの空気感をつくり出す要素となります。
先輩・上司の愚痴や会社への批判という明らかなものは、比較的速やかに対策が取りやすいのですが、この様なものはなかなか上層部の耳に入る事がなく水面下で広がり、耳に入って来た時には、既に危機的な組織風土になっている可能性がありますので、マイナスの空気になっていないかどうかを日頃から意識する必要があると言えます。
着眼点② 承認不足
組織的にも活気があり、やる気に満ち溢れている様に見えるのに離職者が多い組織というのは承認不足の可能性が高いと思います。
「社員さんを承認してあげて下さいね」とお伝えすると「うちの社員はほめるところがないんでね・・・」と言われる事があります。
「賞賛して下さい」ではなく「承認して下さい」ですので、ほめなくても良いのです。
何か依頼した事をしてくれたら「ありがとう」と伝える。
朝、出勤した時の挨拶を、アイコンタクトをしながら「○○くん、おはよう」と名前を付けて挨拶をする。
その様な子供の頃に言われ続けたコミュニケーションの基本を今一度見直して頂きたいと思います。
業績が順調で活気のある組織は、常にやるべき事柄で溢れかえっている為、社員同士の基礎的関わりが希薄になりがちです。
この積み重ねにより、存在意義を見失う社員を生み出す事になってしまいます。
➢2.組織風土に問題がある
マイナスの空気感が組織に広がると組織風土になってしまいます。
ところが風土になる為には影響力と継続性が必要となりますので、風土に問題があると感じられる場合は、早急な対応をして頂きたいと思います。
空気にしても水にしても高いところから低いところに落ちていきます。
組織風土も同様で、基本的には高いところから低いところに落ちていきます。
つまり管理職にマイナスの空気感を発する人がいる場合、組織風土をマイナスにしてしまう事があります。
「組織風土をマイナスにする管理者」と表現すると、会社批判を行う人、暴言を吐く人、高圧的な人、の様なイメージをされる事が多いのですが、とてもやさしく、部下想いの人の場合もあります。
このやさしく、部下想いの管理者が生み出すマイナスの風土というのは「惰性の風土」です。
「お疲れさん。みんなそんなに頑張らなくていいよ。ほどほどにね」というスタンスで社員と接している場合、惰性で働きたい人にとっては居心地が良いのですが、向上心がある人にとっては強い違和感を覚える風土になってしまいます。
対策①
「1.関わり方に問題がある 着眼点② 承認不足」の中でお伝えした
◉「ありがとう」を多く発する
◉アイコンタクトをしながら「○○くん、おはよう」と名前を付けて挨拶をする
というコミュニケーションの基本を今一度徹底してみて下さい。
対策②
マイナスの言葉をリフレーミングして発する様に意識して下さい。
リフレーミングとは枠組みを変えて捉えなおす事を言います。
起こっている出来事自体は変わらないけど、その捉え方を変更する考え方の事です。
よく使われる例として、コップに水が半分入っている状態を
「コップに水が半分しか入っていない」と捉えるか
「コップに水が半分も入っている」と捉えるか
の違いの様なモノです。
マイナスの空気感を生み出す人は、自分の感情をマイナスで表現しやすいので、そのマイナスの表現をプラスの表現に変更する「リフレーミングのワーク」は効果的だと思います。
対策③
「組織の目標」「個人の目標」を共有し、部下・後輩の目標達成の為にどの様なサポートが出来るか、を小まめに話し合ってみて下さい。
自分の目標達成に向けて力添えをして頂ける上司は承認欲求を満たしてくれる人であり、また自分の事を信用・信頼してくれているからこれだけ親身に関わってくれていると捉え、その思いに応えようと仕事に励み、成果を出そうと頑張ってくれる様になります。
この様な関わりの積み重ねがプラスの風土を生み出す原動力になっていきます。
対策④
理念について考える時間を設ける様にして下さい。
組織風土がプラスの傾向になってきたら社員と一緒に経営理念について考える。
経営理念と自分の仕事の仕方、取り組み方を話し合う場を設ける事で、自分の気持ちに向き合う機会になり、人の発言により自分の至らない部分に気づく事で、組織風土の改善を加速化して頂きたいと思います。
最後に・・・
ご相談を頂き、実際に組織を拝見させて頂くと、様々な事柄が問題として表れています。
当事者であるクライアント企業の社長をはじめ幹部社員さんは、その事柄の解決をされようとするのですが、事柄は問題の真因ではない事がほとんどですので、もぐらたたきの様に次々と問題が出てきてしまいます。
真因が見つかっていなくても、何かしなければ・・・
という状況の場合は、対策①からスタートしてみて頂きたいと思います。
今回の内容が僅かながらでも、社員さんのやる気の向上と組織風土の改善のヒントになっていれば嬉しく思います。
部下との関わり方や指導の仕方、組織風土の作り方でお困り、お悩み事がございましたら、Zoomにて50分無料の相談会を開催しておりますので、メールにてお問い合わせを頂ければと存じます。
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