科学者は戦争で何をしたか(ノーベル賞科学者は警告する!)

辻村豊

辻村豊

テーマ:研究開発のヒント

皆様方、お世話になっております。日々雑感を綴っております。

読書の秋

家の中あるある、家の中には必ずと言って良いほど、随分前に買ったのに読んでいなかった本があったりします。
読書の秋、そんな一冊に『科学者は戦争で何をしたか』がありました。
https://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0799-c/
2015年の発行ですが、起業してから買ったと思います。
正直、重要且つ思いテーマです。たとい理科系の端くれであったとしても、向き合わねばならないとは思っておりました。
そして、全く意識はしていなかったのですが、この『科学者は戦争で何をしたか(ノーベル賞科学者は警告する!)』を読み始めた瞬間、今年のノーベル賞のニュースが飛び込んで来ました。本当にたまたまなだったのですが、実にタイムリーな読書となりました。

読んでみた

実際に読んでみました。本を読んだお話をする以上、当然中身については触れなければなりません。
ただ、最近になって、『本と言うものは最初から最後までしっかり読む』ことを学びました。『あらすじを知って読んだ気になることは非常によろしくない』ということは先に申し上げておきます。

(本は端折らずに一気に読む方が良い?)
https://mbp-japan.com/hyogo/banyohkagaku/column/5229535/

わかりやすく、一気に読むことができた

内容ですが、一言で言えば益川先生の魂の叫びです。特に科学者が如何に戦争に利用されるか?について、これまで聞いて来たような話ではありますが、うまく解説してあると思いました。
まず、フランスの科学者パスツールの言葉を引用しています。

P. 43 科学に国境はないが、科学者には祖国がある

そして、

P. 43 ついに戦争勃発となれば、「科学には国境がない」などののんきなことは言っていられなくなります。毒ガス研究者のフリッツ・ハーバーは生粋の愛国者でしたが、そうではない国際人を目指していた科学者でさえ自由な行動をとれなくなり、否応なく国策を支援する組織に半強制的い組み込まれてしまうのです。ノーベル賞を受賞したような国際的に活躍する科学者も例外ではありません。そこが戦争の怖い所なのです。

P. 49 戦時下における科学者の立場と言うのは、戦争に協力を惜しまないうちは重用されるものの、その役目が終われば一切の政策決定から遠ざけられ、蚊帳の底に置かれます。国策でどういんされるというのはそういうことです。「べんりなものをつくってくれてありがとう」で終わり。どんな軍事兵器もそれが完成した時点で研究者、開発者の手から離れ、100パーセント政府のものとなります。そして、それがどんな危険な使い方をされようと、開発した当事者は手を出せなくなるのです。

このあたりが最も重要な部分と思いました。
更に選択と集中の危険性や原子力の話、長期的視野に立つことで締めくくってありました。
てなことで、この『科学者は戦争で何をしたか』ですが、既に廃刊になり、紙の書籍としては入手困難ですが、電子版はあるので、もしご興味おありの方は、電子版を読んでいただければと思います。
一応、立ち読みもできるようにしましたので、もしよろしければ下記へもアクセスしていただければ幸いに存じます。
(科学者は戦争で何をしたか(立ち読み用))
https://smooooth9-site-one.ssl-link.jp/banyokagakukenkyusho230710/uploads/blog/57/6ac98c148445e57.pdf

研究以外にも全力で取り組んでいた

今回わかったことの一つに益川先生が『学生の指導や研究のみだけではなかった』ことと、『全てに全力を尽くしていた』ことでした。反戦活動にもかなりの時間とエネルギーを使っていたらしく、行動を伴う、口先だけでなかったことも、良くわかりました。
益川先生の言葉には理想過ぎる部分もあるかもしれません。これに対して『お花畑』などど揶揄する人も少なからずいると思います。しかしながら、どういう経緯で『お花畑』などと語るのでしょうか?多くはインターネット中にある、怪しげな情報を元にAIがまことしやかに語ることを、大して考えもせずに受け売りしているだけではないでしょうか?
益川先生は自らの戦争体験を出発点に、随所に出て来る恩師坂田晶一先生の教え、世界中の識者、社会運動通じて知り合った人たちなど、広範囲且つ中身濃い交流を経ての叫びで、重みが全く違います。

いつ関係するか?わからない

とはいえ、今の日本では『まだまだ遠い世界のこと』という雰囲気があることも事実です。
しかしながら、私ごときでも、無縁ではないこともありました。
数年前ですが、仕事をもらっていた会社からっ巨大プロジェクトへのお誘いがありました。
首都圏の超有名大学が主体となるものでしたが、目的は防衛産業でした。
相変わらず会社の売り上げが伸びず、稀に来る仕事案件で食うや食わずの生活と続ける私にとっては正に救世主のような話でした。『この生活から脱出できる!』『新たな投資も出来る!』
私は悩みに悩みました。家内をも相談した上で、結局お誘いを辞退しました。
そして、この辞退したことが関係しているのかどうか?はわかりませんが、その会社からの仕事依頼は一切来なくなりました。
これが世の中というものです。
この話を人に話すと『立派だ!と言われます。
しかしながら、辞退に至るまでと、辞退してから案件が来なくなったことの辛さについて話をしても全く耳を貸そうとしません。
そう、『立派!』というだけなら、タダだし、言った本人にしてみれば、良識を持っているようにふるまえるので、単に言っているに過ぎないのです。
これもまた、世の中というものです。
実のところ、当時まだ健在だった父親の影響もありました。それについては、また改めて申し上げたいです。

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辻村豊
専門家

辻村豊(技術コンサルタント)

合同会社 播羊化学研究所

原料や素材の研究開発、製造工程、PRなどに関するお困りごとをサポート致します。専用の実験室で実証実験や試作も可能です。技術系社員の育成、技術承継のご相談なども承ります。博士(工学、1997年大阪大学)

辻村豊プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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