「継続投資の重要性について」 ~(続)売買タイミングは本当にリターンを生み出すのか~

森岡寛将

森岡寛将

テーマ:資産運用のポイント

 投資の極意として紹介されている行動で個人投資家が勘違いしやすいものに「売買タイミング」があります。相場の動きから様子を見るべきか悩むお客様も多くいらっしゃいますが、様子見によって得られる投資上のメリットはどの程度あるのでしょうか。ここでは継続的な投資の有効性について過去のデータに基づき検証します。
 まずは米国株を代表する株価指数であるS&P500と日本株を代表する株価指数である日経平均株価について年間リターンがプラスであった年とマイナスであった年の割合を見てみます。
 すると、S&P500は1928年から2024年までの97年間において、年間リターンがプラスとなった年が66回(約68%)あり、日経平均株価は1950年から2024年までの75年間において、年間リターンがプラスとなった年が49回(約65%)ありました。

短期的な株式の見通しを予測するのはプロの投資家でも困難ですが、過去の実績で見ると米国株・日本株共に年間リターンは6~7割程度の割合でプラスとなっています。
そのため「様子見する」投資行動は株式の上昇機会を逃してしまう可能性が少なくないと言えます。

 また、先ほどは年単位での投資行動でしたが、1年の間でも相場は大きく上下します。その際に「その年の最安値で投資したい」とお考えになるお客さまも多いかと思います。次に米国株(S&P500)と日本株(TOPIX)を2002年末から2024年末までの期間で毎年100万円ずつ投資した場合について、以下の3パターンを比較します。
①年末営業日に投資した場合
②その年の最高値で投資した場合
③その年の最安値で投資した場合 
 
 その結果を見ると、最悪のタイミングである②でも投資した金額に対して運用額が米国株で約6.6倍、日本株で約2.6倍と長期保有を継続した結果、資産価値の上昇が確認されています。

 このように最悪のタイミングで投資した場合でも、投資した資産を継続して保有することで、着実に資産を拡大できています。
 ここから投資タイミングよりも継続して保有することが重要だということが分かります。

 これまでの考察より、相場の動きから投資タイミングを探ろうとする行動は逆に投資する資産の成長機会を逃す可能性があります。また、その年の最悪のタイミングで投資しても、投資する資産の成長が期待出来るのであれば、着実な成果につなげていくことが目指せます。
 資産運用では「どのタイミングで投資するか」では無く「投資する時間」がリターンを生み出します。 そのため、投資したいと思われた際には、投資を早期に始めて時間を味方にすることが、合理的かつ成果が期待される投資行動といえます。

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森岡寛将
専門家

森岡寛将(最高運用責任者)

株式会社アンバー・アセット・マネジメント

「顔が見える運用」「家族に勧められる商品・サービス」をコンセプトに、顧客本位の資産運用サービスを提供。運用現場からバックオフィス業務まで豊富な経験を有する最高運用責任者より役立つ情報発信に注力。

森岡寛将プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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