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むちうち(頸椎捻挫、外傷性頚部症候群)で12級が認められるには

2014年7月17日 公開 / 2023年9月23日更新

テーマ:交通事故

コラムカテゴリ:法律関連

 前回までのコラムで、交通事故でむちうち(頸椎捻挫)になった後、後遺障害14級が認められるためのポイントについて書きました。
 今回は、12級が認められるためのポイントについて書きたいと思います。

障害の証明が必要

 12級は14級のさらに上級の後遺症になりますので、14級よりも重い後遺症ということになります。

 14級では「障害の存在が医学的に説明可能なもの」と理解されていましたが、12級では「障害の存在が医学的に証明可能なもの」とされています。
 この「証明」がポイントです。

 12級では、14級と同じく「事故直後から現在まで、神経系統の障害として医学的に説明可能な症状が一貫して認められること」と「その一貫した症状が、特定の神経の損傷による症状として医学的に矛盾がないこと」は、当然に必要とされます。
 12級では、これらに加えて、画像や検査結果など、それぞれを裏付けるだけの医学的な根拠が必要となるのです。

証明に必要なもの

 画像としては、MRIによる神経の出口(神経根)が狭くなっている画像や、単純レントゲンでも背骨と背骨の間が狭くなっている画像などが考えられます。

 検査結果としては、首をどの方向に曲げたり伸ばしたりしたときに症状が出るのかを調べるテストや、左右の筋力差を確認する検査などが考えられます。

 こうした画像や検査結果などをもとに、損傷している神経の部位が特定でき、その損傷部位と本人の訴えている症状が合致するということになれば、12級として認められることになるのです。

医療記録の重要性

 このように、12級が認められるためには、当然のことながら医療記録が不可欠ということになります。
 さらにいえば、記録上、様々な画像や検査結果が残っていることも不可欠となります。

 よって、14級の場合と同じく、事故直後からきちんと病院へ通院し、自分の症状を正確に伝えた上で、できる限り客観的な資料が残るようレントゲンやCT,MRIなどの画像撮影をしてもらったり、各種検査を実施してもらったりすることが大事になります。

 もっとも、画像や各種検査は、通院のたびに必ず実施してもらう必要はありません。
 また、そもそも事故直後の最初の画像撮影の際に神経損傷を疑わせる画像が出てこなければ、そもそも12級に該当するケースではないということも当然あります。
 ですから、画像撮影や検査の実施については、基本的には主治医の判断に任せましょう。

 ただし通院が続くと医師が経過観察しかしなくなることもあります。
 ですから、最初の時点で神経損傷やヘルニアの疑いを指摘された場合には、一定の頻度で画像撮影や各種検査が行われているかどうか、きちんと確かめておくことも必要です。

この記事を書いたプロ

川島英雄

交通事故・医療事故の被害者を守る法律のプロ

川島英雄(札幌おおぞら法律事務所)

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