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「考えること」の重要性

川島英雄

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テーマ:憲法

 以前のコラムで、「想像力」の重要性について書きました。
 自分が人間として尊重されるためには、他人も同じように個人として尊重される必要があるはず。
 そして、お互いが尊重され合うには、お互いが相手のことを想像してあげることが重要だとということです。

考えることの重要性

 もう一つ、この「想像力」と同じくらい大事なこととして「考えること」が挙げられます。

 「考えること」なんて言われるまでもなく誰でもやっていると思う人もいるかもしれません。でも、本当にそうでしょうか?

 みなさんは、「みんなが言っているんだからそれでいいんじゃないか?」と思ったことはありませんか?
 また、「いままでそうだったんだからそれでいいんじゃないか?」と思ったことはないでしょうか?
 あるいは、「忙しいし面倒くさい、よくわからないから誰かに任せておけばいいんじゃないか?」と思ったことはありませんか?
 
 こうした気持ちになることは、別に特別なことではありません。
 きっと、多くの人が、多く場面でそう思ってしまったことがあると思います。
 正直なところ、私も全くそう思わないかと言われれば、否定できません。

考え続けること

 でも、本当にそれでいいでしょうか?

 多数意見が常に正しいとは限りません。多数意見だからよいという考え方は、いじめや仲間はずれにつながりかねない考え方です。
 前例踏襲が常に正しいわけではないことは、みなさん当然おわかりいただけると思います。

 このように、多数意見や前例踏襲は正しいとは限らないのですから、それが正しいかどうかをきちんと見極めるためには、「考えること」が不可欠なのです。

 さらにここで「忙しいし面倒くさい、よくわからないから誰かに任せておこう」という理由で何も考えなくなってしまえば、結局、正しいかどうかもわからない多数意見や前例踏襲がそのままとおってしまうことになります。
 こうなったとき一番得をするのは誰か?それはもちろん、多数派となった人たちや、既得権を握っている人たちということになります。

 一部の人だけが得をする社会というのは、多くの人が個人として尊重される社会からは程遠いものです。
 これでは、幸せだと感じられる人がより少ない社会になってしまうと思います。
  
 このように、より多くのみなさんが個人として尊重され、幸せな生活を送るためには、想像力のほかに「考えること」も非常に重要になります。

 以前のコラムで、最近の日本では想像力が足りないように思うと書きましたが、「考えること」も同じく不十分なのではないかと感じます。

考えないことが人権侵害につながる

 自分が人任せにして何も考えていないことによって、結果として少数者の人権を侵害しているかもしれないということを、もっと多くの人が認識する必要があると思います。

 さらに、自分が今深く考えようとしないことが将来の人権侵害を作り出している可能性があるということを、もっと多くの人が問題意識として持つべきだと思います。

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川島英雄
専門家

川島英雄(弁護士)

札幌おおぞら法律事務所

 コミュニケーション能力と、医学的な知識を武器に、交通事故・医療事故の被害者側の案件を重点的に取り扱っている。複数の弁護士が所属する法律事務所の一員で、サポート体制も万全。

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