相続の落とし穴 ~再婚後の養子縁組~
相続の分野で、早めに相談していただきたい具体的なケースのご紹介です。
今回は、遺言書の内容を確認してみたら、別の相続人が全ての遺産を得ることになっており、自分の取り分が全くないことになっているというケースです。
遺留分
こういう場合は「遺留分」の主張をすることになります。
遺留分とは、遺言などで全財産が誰かに譲られてしまったとしても、兄弟姉妹以外の法定相続人であれば元々の法定相続分の2分の1(相続人が直系尊属のみの場合は3分の1)を請求できるという制度のことをいいます。(詳しくは以前のコラム相続の基礎知識 ~遺留分~ を見てください)
遺留分の行使と注意点
遺留分は、「遺留分侵害額請求権を行使する」という内容を相手に伝達すれば行使できます。
裁判でなくてもよいので、まずはともかく相手に伝達することが大事です。
ただし、注意点があります。
遺留分侵害額請求権は、一定期間内に相手方に伝達しなければ時効にかかってしまいます。
ですから、裁判外で相手に伝達するときも、内容をきちんと書いた上で、内容証明郵便などの相手に届いた日が確実に証拠として残るような方法で伝達することが望ましいと思います。
こうした時効の問題などに的確に対処するという意味でも、もし相続の場面に遭遇して、遺言書があることがわかり、自分の取り分が全くないことが判明したという場合には、出来る限り早めに弁護士にご相談いただければと思います。