法定相続情報証明制度について
相続の分野で、早めに相談していただきたい具体的なケースのご紹介です。
今回は、遺言書が偽造ではないかと疑問をもった場合です。
偽造を疑ったとき
自分が全く知らなかったのに親が亡くなってから「実は遺言書があった」と聞いた場合や、遺言書が作成された時期には確実に親の認知が進んでいたというような場合には、遺言書が偽造されたのではないかと疑いたくなることもあると思います。
遺言書が偽造された可能性があるとすれば、その遺言書の効力をなくすためには、裁判所に「遺言無効確認の訴え」という裁判を起こして、遺言が無効であることを確認してもらう必要があります。
もっとも、たとえ遺言が本当に偽造された場合でも、裁判の結果としては「遺言が無効である」ことを確認してもらえば十分であり、偽造であることまで証明する必要はありません。よって、偽造か否かを明らかにしたいということを目的としてしまうと、実現できないこともあるかもしれません。
本人が遺言を書けたかどうか
遺言が無効かどうかの判断には、これまでコラムで書いてきたような遺言の方式に反しているかどうかという点を検討することもありますが、多くの訴訟では遺言を書いた本人の作成当時の判断能力が問題とされます。
こうした観点で「遺言無効確認の訴え」を適切に遂行するには、やはり専門家である弁護士に依頼していただくことをお勧めします。積極的にご利用いただければと思います。