工学鑑定を依頼して過失割合を争った交通事故被害者の訴訟(後遺障害別表第1第2級1号)
以前のコラムで、自賠責保険の後遺障害等級認定の結果が、より低い等級となってしまう傾向にあると書きました。
しかし、だからといって全てのケースで認定が低くなるわけではありません。適切な認定をもらうために、いくつかポイントを押さえておく必要があります。
症状を医師に細かく伝えること
一つ目は、治療を始めてすぐの段階から、自分の症状をきちんと医師に伝え、カルテに残しておいてもらうことです。
理想を言えば、症状を伝えるだけでなく適切な検査をしてもらえるのが一番です。ですが、お医者さんにあまり無理を言うのも難しいと思いますので、せめて自分の症状だけはきちんと伝えるようにしてください。大したことがないと思って、一番痛む場所のことしか伝えないでいると、あとで不利に扱われてしまう可能性があります。
症状を記録に残しておくこと
二つ目は、自分で日記などをつけて、自分の症状や痛み、どの程度動くことができたかなどを記録で残しておくことです。
自分で書いたものなのでお医者さんのカルテほどには重きを置かれませんが、何も記録を残さない場合と比べれば大きな違いとなります。
保険会社任せにしないこと
三つ目は、後遺障害等級認定は、なるべく相手方保険会社に任せないことです。
以前のコラムにも書きましたが、相手の保険会社はあくまでも相手側の立場にあります。ですから、後遺障害が認定されやすいように準備や配慮をして申請してくれるとは限りません。
病院のカルテその他の書類を適切に整え、被害者側の立場で自賠責保険へ直接申請する方が、適切な等級で後遺障害等級認定してもらえる可能性は高くなると思います。
弁護士に相談してください
後遺症認定のための手続に適切に対応するためには、やはり弁護士に早めにご相談いただいた方がよいと思います。
弁護士は、紛争が複雑になって裁判しなければならなくなってから頼むものという誤解をしている方が多いですが、そんなことはありません。
依頼までせず、相談するだけでもよいので、早めに一度は弁護士に相談してみることをお勧めします。