相続の落とし穴 ~再婚後の養子縁組~
今回は、公正証書遺言についてご説明します。
公正証書遺言とは
公正証書遺言は、公証役場にいる公証人が作成する方式の遺言です。
公証人に作成費用を支払う必要がありますが、費用面を除けば、以下で述べるようにかなりメリットがあります。
ですので、弁護士としてはなるべくこの公正証書遺言をお勧めすることが多いと思います。
公正証書遺言の特徴
一つ目のメリットは、公正証書遺言は公証人が作成するため、偽造などの遺言の有効性が問題となりにくいということです。
認知症だったなどの理由により後に本人の判断能力が争われることもありますが、それでも、自筆証書遺言に比べれば後の紛争になる可能性はかなり少なくなります。
また、同じく公証人が作成するという点で、多少であれば公証人が遺言らしい文章の体裁に手直ししてくれるということも、メリットといえるかもしれません。
もっとも、公証人は遺言の内容の全てにまで助言をくれるわけではないので、遺言の内容をきちんと整えたいという場合は、弁護士に相談していただいた方がよいと思います。
二つ目のメリットは、公正証書遺言は公証役場で保管してくれるので、紛失する心配がないということです。
三つ目のメリットは、公正証書遺言の場合は検認(死亡後すぐに裁判所に届けて裁判官の前で遺言書を開封する手続)が不要であるということです。
ということで、前回のコラムでも書いたとおり、私たち弁護士としては、条件が整うのであれば、なるべく公正証書遺言を作成することをお勧めします。