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中島正晴プロは北海道テレビ放送が厳正なる審査をした登録専門家です

新築にしようか?全体リフォームにしようか?工事費用は?

中島正晴

中島正晴

テーマ:新築 リフォーム

 新築にしたらよいか?全体リフォームにしたらよいか?相談したいという方がおられました。結構そうゆう方が多いのではないかと思います。

一般論ではなかなかお答えにくいので、現在の建物の建築年次、大きさ、これから必要とする大きさ、将来のこと等をうかがった上でお答えしました。

現在の建物は、昭和56年5月以前、50坪の木造2階建て、1階を使い、2階は兄弟やお客様が来たときぐらいに使う、どちらにしても地震には強くしたいとのことでした。

以下、私からお答えした内容の主旨です。

「費用的には、新築と全体リフォームの違いは基礎の費用がリフォームの場合にはかからなかったり、木材もだいたい既存の木材を使うので、その分は安くなります。30坪の家で基礎がだいたい150万、木材は150万、合せて300万くらい安くなるという計算でしょうか。
 
 解体費用もかからないで済むということを言われることもありますが、リフォームも解体費用が発生しないとうことではありません。基礎から全部壊して100万とするとリフォームでもその半分の50万程度は少なくてもかかると思います。間仕切りをあまり変えない場合ということで、そのぐらいの費用差額ですが、内部、間仕切りを変えるとなると木材も新しい木材を使ったり、大工さんの手間が多くなったりともっとリフォーム費用がかさんできますね。 
 
 構造上のことですが、昭和56年5月以前の建物なので、古い建築基準法の構造基準で建てられていますので、耐震工事をする必要があります。の耐震工事に少なく見ても概算150万くらいの半分くらいの75万くらいはかかるのではないでしょうか。

 使いがってのことですが、2階はあまり使わないということ、1階だけで生活ができるよう今よりも便利なような間取りにしていきたいということであれば、設計プランの自由度はリフォームの場合、新築に比べると制約されることが多いですね。費用、使い勝手の両方からご検討ください。」
 とお答えしました。その方の場合は、検討された結果、平屋で床面積を必要な程度に小さくして新築の方向に進まれました。
 
 戸建の30坪の家を新築するとして坪45万円(実際には平屋の設計では坪単価がもっと高くなります。)で計算して1350万円(消費税抜き)。

 一方リフォーム費用は、基礎150万円、木材150万円でリフォームで300万円安くなって、耐震工事に50万増で1100万円が全体リフォームでの費用という計算で私が相談者にお話しをしたことになります。
 実際には、既存の住宅が30坪ではなく50坪もあるので、外壁面積やら、室内の床面積が多いわけなので、
同じ規模での比較ではなく、リフォームの方が新築で小さく建てるよりも高くなってしまうことが予想されます。
 同じ程度の規模での比較では、間取りを大きく変更しない条件で、耐震性能をアップし、外壁材、外部開口部、内部建具断熱材、給排水設備、暖房設備、ユニットバス、キッチン、トイレ、等すべて一式新築仕様と同じくして大雑把に坪単価で言えば坪36万円のリフォーム費用ということになります。

 パッケージ工事といって坪単価(または㎡単価)いくらで工事契約という会社も増えてきています。改修内容をよく聞いて、希望の条件でどのくらいの費用になるか見積もりを取ってみるのも良いと思います。パッケージ工事で坪30万ぐらいの施工会社もあるかもしれません。

 設計事務所の場合は一品生産のなので、パッケージ設計、パッケージ工事契約というものはありませんが、設計内容で付加価値をつけて、工事費もローコストになるよう十分に設計検討をしていきたいと思っていますので、設計事務所へのご相談も是非ご検討ください。

全体リフォームではなく、通常のリフォームの場合は予算とリフォームしたい部分を伺いし、それに合わせて概算費用を含めてリフォーム計画を立てていきます。
例えば、300万の予算で「・・・・を新しくしたい」とか。
    600万の予算で「・・・・を新しくしたい」とか。

 最初の話にもどりますが、全体リフォームでは、いろいろなケースがあると思いますので、改めて新築費用と全体リフォーム費用の差がどうなのかを整理してみました。
 
家一軒で新築とリフォームの費用差額を考えるために過去の新築事例のデータをもとに基礎と木材の費用をもう少し詳しく見てみます。

新築 49坪2階建ての場合 金額は消費税抜きです。
解体工事  125万円 50坪の既存建物があったとしてそれを更地にするための工事
基礎工事  210万円
木工事の内 構造材 142万円
      羽柄材  72万円
      合計  214万円 
※構造材:柱、梁(はり)、大引(1階床梁のこと)、胴差(どうさし:1階との2階の間の外周の水平材のこと)、桁(けた:最上階の外柱の上に水平につく材料)
※羽柄材:間柱(まばしら:柱と柱の間に45㎝間隔で入れる補助材)、筋違(すじかい)、根太(ねた)などの材料

新築 22.5坪 平屋建ての場合
解体工事  100万 (40坪の既存建物があったとして更地にするための工事)
基礎工事  120万円 
木工事の内 構造材 75万円
      羽柄材 52万円
      合計  127万円

間仕切りと屋根形状を変えないリフォームの場合の新築との差は、

50坪2階建では
-63万(解体)―210万(基礎)―171万(木材)+75万(耐震)=431万円減。坪8.6万減。
(解体は125×0.5=63万、木材は214万×0.8=171万耐震改修150×0.5=75万としました。)
 計算上は、新築よりも431万円安くなるという結果です。 

22.5坪平屋建では、
―50万(解体)―120万(基礎)―102万(木材)+50万(耐震)=222万円減。坪9.8万減。
(解体は100万×0.5=50万、木材は、127万×0.8=102万、耐震改修100×0.5=50万としました。)
 計算上は、新築よりも222万円安くなるという結果です。

 全体リフォームで安くする方法はいくつかありますが、既存の建物の状況によるので、既存建物の劣化調査、耐震診断、をした上で、ケースごとに判断していくことが必要です。
リフォームの手法で使われる方法では、
・既存外壁の上から、比較的軽いサイディングを貼る。(要注意)
・既存外壁の構造補強を土台廻りなど必要な部分だけを剥がして補強する。
・既存の床材を剥がさないでその上に薄い床材を貼る。
・なるべく天井や床を壊さないで耐震補強をする。
・既存の屋根はその上から屋根を貼る。(これは一般的)
等がありますが、事前調査で外壁の内部が雨漏りや、内部結露で傷んでいることが分かった場合は、外壁モルタルは剥がした上で、新築同様の断熱、気密、通気、工事をすることになります。全部事前調査で状態を見ることが難しいので、内部から壁を広範囲に壊してみてその部分の状態から全体を予想するということもしていますが、それでも確実ではないので、モルタルを剥がさないで上から外壁材を貼る工事は慎重に選択する必要があります。

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中島正晴
専門家

中島正晴(一級建築士)

有限会社 中島建築設計事務所

住む人が生活を楽しめる家づくりを重視。インテリアコーディネーター、カラーコーディネーターの資格も持ち、遊び心のある仕掛けを取り入れた感性豊かな設計を提案。住宅調査や耐震補強リフォームも得意としている。

中島正晴プロは北海道テレビ放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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