屋根の雪 屋根の形によってどうなるか?
前のコラムでもすでにご紹介した三角屋根のご住宅ですが、屋根の雪とツララについてオーナーに詳しく今年の状況を教えてもらいましたので、再度ご紹介します。
このご住宅は14年前に輸入住宅メーカーの設計、施工で私はその時、施主からの依頼で第3者工事監理に相当する工事中のチェック業務をさせていただいた家です。屋根は、コロナルーフというニュージーランドからの輸入品です。
鋼板の上に石粉を吹き付けて表面がザラザラとなっていて、その摩擦抵抗で雪がすべり落ちないしくみになっています。
屋根の雪については、2年前にも取材させていただいていて、今回は2回目です。
では、本題に入ります。写真撮影日は、いずれも2013年2月26日です。
Q道路から向かって左側は除雪して奥に雪を持っていかれていましたが、いつもそのようにしていらっしゃるのですか?
Aここ数年は、裏に雪を持って行く為に道を作っています。
Q道路と反対側の屋根の下は結構雪が積もっていましたが、あれは、奥の家の屋根の雪おろしの雪なのかなとかいろいろ想像していますが、どうなのでしょうか?
A屋根の下に有る雪は、スノーダンプで持っていった雪です。屋根の雪ではありません。
勿論、落雪もありません。
Q道路からみて右側の庭スペースにも結構な量の雪が堆積していましたが、あれは屋根から落
ちてきた雪ではなく、玄関前の除雪の雪だろうと想像していますが。どうですか?
A屋根から落ちてきた雪ではなく、玄関前の除雪です。
Q今年のつららについての状況はどうでしょう?
Aこの時期になると、昼間はプラス気温の日が有るので、ツララが大きくなってきます。
でも、暖かい日が多くなってくると、ツララはだんだん小さくなってきて無くなるか
小さくなったツララの状態で、落下する事もあります。
今のところ、大きなままで、落下した形跡は無いです。
「ここ14年間、屋根の雪の落雪で困ったことはありません。」とのことでした。
つららについては、屋根が谷折りになっているところは、ツララが発生しやすいので、1mほどに発達するのもしかたがないと思いますが、ツララ落としはされていないとのことです。単純な切妻屋根だとツララはもっと小さくしか成長しないのだと予想されます。ツララは家の気密性能と小屋裏換気に大きく影響されますので、十分な小屋裏換気または屋根換気と気密施工が条件となります。このご住宅の場合は竣工後測定した気密レベルは高気密住宅の通常レベルでした。
私の今後の設計の参考にしていきたいと考えています。