三角屋根(落雪防止屋根)の雪とツララ Q(私)&A(オーナー)
三角屋根とスノーダクト屋根とフラットルーフ屋根の雪の積もり方を比較したいと思い、今まで私が工事監理や設計でかかわった方の家の写真を2年前の2月に同じ日の朝、3軒を回って記録に残しました。その年は例年よりも雪が少ななかったので、ツララも小さく、また雪の庇もあまり発達していません。今年は、次の日曜日頃に今年の記録を取りに行く予定でいますので、また、コラムに最新データとして載せたいと思います。三角屋根についてですが、敷地の狭い、土地では中々三角屋根を採用することをためらってきましたが、今後は落雪の状況を確認した上で検討していきたいと考えています。また、フラットルーフやスノーダクト屋根の雪庇防止対策は、面ヒータ-系で対応するか、三角突起系(私の勝手な呼称です。)などで対応するか新築時から対策を練っておく必要を感じています。
三角屋根の家は輸入住宅メーカーの設計・施工ですが、施主に依頼されて工事期間中の正式な工事監理に相当する程度の第3者監理と工事期間中増減清算についてアドバイスを私がした家です。屋根はコロナという名称で鋼板に石粉を吹き付けた表面のザラザラしたもので、横葺きです。隣地境界線から建物で1.6m、軒先からで1.1mです。落雪の心配はないとの住宅メーカーの話でした。もう、建物が出来てからもう12年になるので、この12年間、実際、屋根の雪はどうだったかを伺いました。「20㎝くらいまでは屋根の上に積もるけどそれ以上は積もらないで表面の雪がさらさらと軒下に落ちていく。屋根が谷になっているところで、ツララが1mぐらいまで成長するけれども、それ以上になることはないですよ。折らないでそのままにしているとだんだん短くなって無くなります」と話されていました。でもその撮影時は、積雪も少なく、裏にツララの小さくのが見られる程度でした。屋根の端の雪が解けてないが、電熱ヒーターをいれているわけではありません。
平成23年2月6日撮影
フラットルーフの屋根は、既存住宅に増築をした家で私の設計です。撮影の1年前にできた家で、その年の冬は、とても雪が多く、道路側の屋根の端に大きな雪庇(せっぴ)が発達し、施主が2階の窓から雪庇落としを小まめにして対応されていました。雪庇(せっぴ)防止の三角形の製品を取り付けてはと提案しましたが、そこまではしていません。勾配は道路と反対方向で、北側に勾配をとっています。なるべくズレ落ちていかないよう頑丈なフラットバー(L字型に折りまがった細長い鋼板)で雪止めを設置しています。それでも30程度はずれて庇になっていました。
平成23年2月6日撮影
スノーダクトの家は新築で私の設計した家です。フラットルーフの屋根と同様、撮影の
前年は大雪でしたので、そのときは雪庇(せっぴ)が大きく発達し、屋根の端から50㎝くらいは巻き込むように発達していました。施主が屋根の上に上がって、その雪庇(せっぴ)を落とされていました。中庭のウッドデッキの板を冬場はづせるようにしていましたので、そこに雪をためていました。中庭に面した窓が床からの窓なので、そこにバウンドしてあたらないよう雪庇があまり大きくならないうちに雪を落とす配慮も必要かもしれません。帽子型パラペットのない形状の屋根の場合の雪庇対策をどうするか配慮事項かと思い、今後の設計時に考えていきたいと思います。
平成23年2月6日撮影