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髙橋慎吾プロは北海道テレビ放送が厳正なる審査をした登録専門家です

反抗期?自我が強くなった子について、大人が振り返ってみたいこと3選

髙橋慎吾

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テーマ:塾授業のこと



みなさんは、自分が学生だった頃の記憶はありますか。
また、家庭のルールを、密かに破ったことはありますか。

お子さんがいらっしゃる方は、
「私も子供の頃、親の言うことを聞かなくて…」
「言うことを聞かないと、どんな怒られ方をされるかわからないから、従っていた」
などなど、「言いつけ」についての記憶が蘇ってきてはいませんか。

子ども時代、次第に自分で見て判断し、親の意見や家庭のルールに反することも、
選択肢として浮かんでくることは、よくあります。

もちろん、子どものこれからのことを思って、「きちんとルールを守ることのできる大人になるように」「人に迷惑をかけることのないように」という観点からも、ルールや言いつけには、子どもの成長に欠かせないことが含まれています。

しかし、年々「うるさい!」「あっちいけ!」などと言われたり、テコでも動かないなどして、「反抗された」と、苛立ったり悲しんだりしている保護者さんも少なくないのではないでしょうか。

そんな、子どもを取り巻く大人たちの、
心の不穏の解消、緩和に。

今回のコラムでは、私が教室で実践している
「反抗期?自我が強くなった子に、大人が振り返ってみたいこと3選」
をお伝えしたいと思います。


1 その行動は、誰にとって理想的なのか?


いわゆる「いい子」と呼ばれる子たちは、大人の言うことをよく聞く、よく勉強する、落ち着いて行動する、よい成績をとる…というような、理想を絵に描いたような子を指すでしょう。保護者さんとしても、こうした子たちは手があまりかからず、いい子と思えるのかもしれませんよね。

また、いつも子どもがそういう状態ならば、どこに出しても恥ずかしくないでしょうし、その後の人生設計にもあまり心配がないのかもしれません。

しかし、当の子どもはどう思っているかは、別問題です。「顔色を伺って行動しないと、後が面倒臭い」という本音があったり、「うまく自分を律したいのに、できないから助けてほしいのに、できないことばかりを責められるようだ」と感じているかもしれません。

子どもも、落ち着いた時に自分の行動を振り返ることが、だんだんとできるようになってきます。そのときに、大人にとっての理想的な子ども像は、頭の片隅に置くぐらいの気持ちで、子どもがそのときどうしたかったのか、子ども自身にとってどういうことが理想的なのかを、いっしょに考えて整理してあげるとよいでしょう。

同時に、保護者さんや周りの大人の方も、「子どものためにしてあげなければならない」という気持ちの整理ができていないまま、子どもの不規則発言を目の当たりにして、怒ったり悲しんだりすることもあると思います。自分の理想もあっていいと思いますが、押し付けるのではなく、現状を見て、折り合いをつける方法を考えるとよいでしょう。

2 「自分は良くて他人はダメ」?


たとえば、子どもが一日中スマホ漬けだったとします。大人でも仕事でスマホを使う方は、事実上スマホ漬けになってしまいます。または、家の外のコミュニティの人と繋がるにも、スマホが欠かせない時代になっているので、仲の良い顔見知りが多い方は、これまたスマホに拘束される時間も長くなることでしょう。

よくある話ですが、子どもが「一日中スマホ漬けで勉強しない」「ゲームで知り合った人とLINEでやりとりしている」などの理由で、スマホを没収されたとします。その横で、たとえば何か大事な話をしたいと思っている子どもが、親のスマホ漬け状態を見たとしたら、どうでしょう。

子どもには、「仕事などの必要性があって」スマホを操作しているのか、「コミュニケーションと称して、自分がやっていたのと変わらない他人との他愛のないやり取りをして、ガス抜きをしている」のか、一目には判断できないでしょう。無論、学年が上がってきて、客観的に状況を見る力(メタ認知能力)がついていれば、見ただけで大体察しがついてしまう子もいるのですが。

こういう場合、どちらが稼いでいるから、とか、どちらの使い方が稚拙だから、とかではなく、お互いにきちんと話をすることが大切だと考えます。

子どもからは「こういう理由で、こういう人と話をしている」や「気持ちを切り替えるためにゲームや動画を見る」と意見が出ることでしょう。そこを「現実逃避だ」「いつまでも際限なくやるからでしょ」と断罪するのではなく、「どうしたら切り替えが早くなるかな」「親に話せないこともあるよね」など、いったん子どもの立場を考えてあげると、子どもも親の立場を理解しようとしてくれるのではないでしょうか。

スマホやゲームではないものの、テーマを変えれば、そういうことはいつの時代もあったのではないでしょうか。いつまでテレビを見ているの、いつまで友達と長電話するの、いつまで…とまぁ、数えればキリがないものです。

3 「いい親」「いい大人」を演じようとし過ぎていないか?


大人だって人間です。親だって、先生だって、人間です。
いつもフルパワーでニコニコ笑顔、そうできたらよいのですが、そうもいかないのが人間です。

父親とはこうあるべきだ。母親とはこうあるべきだ。先生とはこうあるべきだ。
理想を持つのはよいことです。そして、それをなるべく叶えようとすることも。

しかし、そうもいかないとき。
理想とのギャップに、「これでいいのかな」「こんなもんじゃない」などと落ち込み、行動できなくなることもあるでしょう。

そういう日だって、あってもいいじゃないですか。
ただ、そういうときに、うまく手を抜くことや、その状態からの脱し方などを教えることこそが、大人の役目のひとつでもあるのではないでしょうか。

大変なことと、楽しいことと、両方あっての人生だと思います。
それに向かう心構え、対応のしかた、子どもと一緒に学び続けるのも、視野が広がって新たな気づきが得られ、目から鱗が落ちるような感覚になるものです。

勘違いしてはよろしくないのが、経験や対応力などは大人の方があったにしても、知っていると知らないとでは、大人も子どももありません。また、不調な日もあることを認めなければ、対策も何もないわけです。

弱みを見せないカッコよさもあるかもしれませんが、弱みを克服していく、あるいは付き合っていくのも、また違ったカッコよさなのではないでしょうか。

4 さいごに


人付き合いも、子育ても、後進の育成も。
人と人とのことですから、「その人にとっての絶対的な正解」が「他人に100%知られる」ということは、まずあり得ないでしょう。

ハウツー本や専門書に書かれていることが実践できなくても、落ち込む必要もないし、開き直る必要もないでしょう。できていないなら、「いま、できていない」「それはどうしてだと思うのか」「改善に向かうために自分としてできることは」の順に考えていくとよいでしょう。

そして実は、このプロセスが、塾として学生さんの得点力のみならず、問題分析、解決力を養うための基盤であると考え、当教室は今日も多様な学生さんを受け入れしております。

ぜひ、このコラムを読んで、賛否両論ございましたら、お気軽にご連絡いただければと思います。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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髙橋慎吾
専門家

髙橋慎吾(塾講師)

共生舎

地域や学年、習熟度の垣根を超えた生徒が同じ教室に集い、個々の特性を尊重しながら学びを深める、インクルーシブ教育を実践する。

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