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「主体的・対話的で深い学び」を実践する塾とフリースクールを展開

子どものやる気を引き出し、自主創造力を育む教育のプロ

髙橋慎吾

髙橋慎吾 たかはししんご
髙橋慎吾 たかはししんご

#chapter1

自ら考え、自分の意思で行動する力を育む、実社会を意識した学びを提供

 「当塾は『子どもが学びの主役』を理念に、生徒が考えていることを出発点とした対話形式で授業を進めています。開校以来一貫して、自分で考え、自分の意思で行動する力を育むことに取り組んでまいりました」

 そう語るのは、北海道室蘭市で塾とフリースクールを運営する「共生舎」代表の髙橋慎吾さん。誰もが気軽に足を運べるようにと小学生から高校生までを迎え入れ、自分のペースで通える自由度の高いプランを用意しています。

 「当方では、地域や学年、習熟度の垣根を越え、多様な生徒が同じ教室に集うインクルーシブ教育を実践しています。必要に応じて黒板の前に立つことはありますが、基本的には個別指導が中心です。生徒の要望でディスカッションの時間を設けることもあります」

 2020年から2022年にかけて、小中高の学習指導要領が改訂。生きる力を育成するため、新たに「主体的・対話的で深い学び」が掲げられました。髙橋さんは、創業時から教育現場の変化を見据え、「実社会を意識した学びの場」を目指してきました。

 「他の生徒や塾に出入りする大人との交流は、自分と違う価値観に触れ、自らを客観視し、コミュニケーション力を磨く機会になります。時には地元企業さまからお声掛けいただき、生徒と会社見学に赴くこともあります。数多くの人と関わる中で、社会を生き抜く力を身に付けていってほしいですね」

 2023年4月からは「学びの選択肢を増やしたい」との思いで、週に2日フリースクールを開設。「出席扱い」として認められるよう、市の教育委員会をはじめとする関係機関と協議を重ねています。

#chapter2

「地方創生は人づくりから」の思いで、金融機関から教育の世界へ転身

 オホーツク海沿岸の街、網走で生まれ育った髙橋さん。幼い頃、休みのたびに車で数時間かけて旭川、札幌といった都市部に出掛けて行く友人を見て、複雑な心境だったと言います。

 「地元に楽しめる場所がないなら、自分たちでつくればいいじゃないかと。子どもながらにバブル崩壊で移り変わる社会情勢を肌で感じており、『与えられることに慣れてしまうと変化が激しい時代を生きられないのでは』という危機感がありました」

 友人らの振る舞いと自身の考え方にギャップを感じ、うまく自分を出すことができず、つらい時期も長かったという髙橋さん。大学進学後は、個人塾講師や家庭教師のアルバイトで学費や生活費を工面しながら、関心のあった地方創生について理解を深めました。

 卒業後は金融機関に就職。「間違っていることは間違っている」と、はっきりとした姿勢が根底にあり、組織で働くことに息苦しさを覚えるように。7年ほど勤めた後に退職し、「地方創生は人づくりから」の志で、教育先進国のフィンランドを視察。2016年に「共生舎」を立ち上げました。

 「生徒が志望校に合格した時はもちろん、周りの子とコミュニケーションが取れるようになった、年下の子に気遣いができるようになったなど、子どもたちの成長を実感する瞬間が何よりの喜びです」

 個々の性格や気質に合わせ、無理なくやる気を引き出していく髙橋さんの評判は、保護者の間に口コミで広がり、今では8割から9割の生徒が紹介で訪れるそうです。

髙橋慎吾 たかはししんご

#chapter3

対面授業と同様、対話を重視した少人数制のオンラインクラスも開講

 午前中にフリースクールを、夕方からは塾を開講している共生舎の輪西本校では、知りたいことをすぐに調べられるようWi-Fiを完備するとともに、さまざまなジャンルの本をそろえています。
 「靴を脱いで入るため『家みたい』と、みんなリラックスして過ごしていますね。2022年4月からは八丁平町会館で、同年7月からは八丁平第一町会館で、移動教室も開校しました。八丁平地区は室蘭市内でも特に人口が多く、たくさんの生徒が利用してくれ、うれしい限りです」

 髙橋さんは、道内を問わず広く全国からアクセスできるように、オンラインクラス「55learning」も開いています。
 「完全予約の少人数制で、対面授業と同様、対話を重視しています。ノートを取ることに追われないように板書の画像を送り、LINEで随時質問も受け付けています。普段は教室に来ている生徒が、都合がつかない時に振り替えで使ったり、試験前に追加で受講したりすることもできます」

 学習や通学に不安を抱える生徒に細やかに寄り添う相談役として、教育分野における地域のハブ機能を果たしていきたいと展望を描く髙橋さん。それぞれに応じたサポートで、子どもたちの自発的な知的活動を支えていきたいと力を込めます。

 「一人一人の個性や意思を尊重し、自然な形でやる気を引き出したり、取り戻したりするためにできることを考え、実践してきました。今後は講演などを通して、子どもたちと関わる中で得た知見を多くの方と共有することで、より良い社会の実現につなげていきたいです」

(取材年月:2023年4月)

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髙橋慎吾

子どものやる気を引き出し、自主創造力を育む教育のプロ

髙橋慎吾プロ

塾講師

共生舎

「主体的・対話的で深い学び」を実践する塾、フリースクール、オンラインスクールを展開。地域や学年、習熟度の垣根を超えた生徒が同じ教室に集い、個々の学びを深めるインクルーシブ教育を実践する。

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