プロを名乗るエセ掃除屋 ~レンジフード清掃を「プロ」に任せる危険~【前編】
世の中にはビギナー掃除屋があふれている!
名刺に「プロ」と書くのは簡単です。
本当にプロかどうかは、別の話です。
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前編では、シロッコファンが外れなかった私は、
「油で固まって外れないんですよ。なので、このまま外さずにやりますね」
と、いかにもプロらしいことをお客様に言って、そのまま掃除を始めました。
ところが、問題は油ではありませんでした。
ここで少しだけ、レンジフードについて解説します。
レンジフードの中には「シロッコファン」と呼ばれる円筒状のファンがあります。多くのタイプでは、その中央を「スピンナー」という、まあネジのような留め具で固定しています。
一般的なネジは反時計回り、左に回すと緩みますよね。
ところが、このタイプのスピンナーは逆です。
時計回り。右に回すと緩むんです。
※参照: 誰でも出来るレンジフードの分解清掃2『右に回す』
もちろん機種によって構造は違いますが、レンジフードをある程度触っている掃除屋なら知っている基本の一つです。
正確には、私も研修で習っていたはずなんです。
でも開業前の研修では、清掃技術だけではなく、洗剤、道具、養生、接客、営業など、とにかく覚えることが山ほどあります。
私は見事に忘れていました。
だからファンを外そうとして左へ、左へ。
外そうとしているのに、一生懸命締めていたわけです。
「外れないんじゃない。外し方を間違っている。」
そんなことには、まだ気づいていません。
仕方がないので、お客様から新聞紙をもらい、ファンについた油をひたすらこそげ取っては新聞紙へ。洗剤をかける。こする。また油を削る。また洗う。
たしか5時間くらいかかったと思います。
汗だくです。
もう、本当に一生懸命やりました。
そして掃除が終わり、
「綺麗になりましたよ。確認してください」
とお客様に確認してもらいました。
長年ベタベタだったレンジフードが、見た目には見違えるほどきれいになった。
お客様も喜んでくれている。
私も嬉しい。
そして、
5時間頑張った。
汗もかいた。
9,000円もいただいた。
めでたし、めでたし。
……
ではありません。
シロッコファンをきちんと外していないということは、その奥――つまりファンの裏側にある、普段は見えない部分まで十分に掃除できていません。
さらに、その先には機種によって「逆風防止シャッター」というフタ状の部品があります。レンジフードを動かしたときに開いて、汚れた空気を外へ逃がすための部分です。
ここに油がベットリ付いて貼り付いてしまえば、シャッターが正常に開かず、排気を邪魔する原因になります。
そしてこれ、私の経験上、ハウスクリーニング専門業者でもここまで確認せずに清掃を終えてしまうところがあります。
でも私は、プロならここまで確認するべき場所だと思っています。
当然、当時の私はそこまで十分に油を取り切れていません。
なおかつ、シロッコファンをきちんと外していれば、ファン自体を洗剤につけ置きすることもできます。
つまり、外し方さえ分かっていれば、
もっともっと短い時間で、もっともっときれいに仕上げることができた。
もちろん、本当に油などで固着してファンが外れない場合もありますし、製品によって構造も違います。
ただ、約20年前、私が掃除したあのレンジフードのファンは、間違いなく外れるものでした。
札幌にはレンジフードの分解方法を知らずに仕事を受けるプロがいた。
そういうお話でした。
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