【資産運用】買ってはいけない投資信託!は本当か?
あなたの外貨建て商品、大丈夫ですか!?
ご相談者様:「この商品って、本当におトクなんでしょうか?」
私 :「おトクというのは?」
ご相談者様:「おトクっていうんですかね。なんていうか、
本当にこの商品って増えるんでしょうか?」
私 :「なるほど、そういうことですね。
ちょっと拝見させていただいてよろしいでしょうか?」
ということで、なんとなくご不安に思っている程度
ではありましたが、
ご相談を受けました。
外貨建て(積立(型))商品には大きく2タイプがある!
よく言われる外貨建て(積立型)商品には、2パターンの商品入り口があることを
みなさんご存知でしょうか?
それはどういうことか?というと
1)決まった外貨(たとえば米ドル)を毎月買って(=定額購入)、外貨を積み立てていく方法
2)決まった日本円で買える範囲の外貨を毎月買って、外貨を積み立てていく方法
です。
ん?文章だけではよくわからん?
そうですね。
違いはこうです。
1)は『買う外貨』
が固定(定額)
2)は『支払う日本円』
が固定(定額)
ということです。
もちろん両方とも結果として外貨(たとえば米ドル)を獲得して積んでいく内容です。
しかし、
固定(定額)とするものをどちらにするか?
でその内容は変わってきます。
外貨を積立をする前に、
なぜ一括ではなく積立なのか?
ということですが、
これはあくまでもリスク分散を図る
ためです。
一回でまとまった資金で購入するよりも積立方式の方が、
購入機会、購入タイミングを分散して時間をかけることで
為替変動、価格変動のリスクを軽減できる効果が期待されているわけです。
なぜリスク軽減につながるのか?
については、
一般的に『ドル=コスト平均法』
という考え方があります。
それってなに?
ということですよね。
この『ドル=コスト平均法』の効果の説明
に合致しているのは
前記 1)または 2) の
どちらでしょうか?
ということです。
さて、どちらでしょう?
結論を言えば、それは 2)です。
1)の場合、なにが問題なのでしょう?
1)は、購入する外貨が固定(定額)
なので、
確実に外貨を購入、積立していけるメリットがありますが、
反面、今のような円安の状況がどんどん進んでいくと、
積立スタート時に思っていたよりも、支払う日本円が増えていく
ということになります。
それは毎月購入する時点での為替相場が、その外貨を購入するための日本円を決定するからです。
たとえば積立契約当初、1$=100円だったとします。
ここに毎月USD100.00を購入する契約をしたとします。
最初は1$=100円の相場でしたので、USD100.00を購入するために支払う日本円は1万円でした。
しかし次の月には1$=130円になったとすると
USD100.00を購入するために支払う日本円は1.3倍の1万3千円ということになります。
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外貨は安定して積んでいけるので、満期や解約時に円安になっていれば、金利以上のプラスの恩恵を受けるわけですが、
一方でそれまで支払ってきた日本円が当初想定よりも増えているので、
せっかく金利以外に為替でも増えたメリットを減らしていることになり、
結果として当初思っていた利回りよりも全然低い利回りに換算されることになります。
(仮に金利がゼロ=金利による恩恵がない、無視した場合、為替が円安に振れたことで、その変動に見合った日本円を追加で支払うことになるので、本来外貨を保有することで受ける円安の恩恵をほとんど受けられない、という理屈になります)
もちろん積立契約期間が長くなればなるほど、契約当初よりも円高になっている時期もあるかもしれません。
しかし、円高の進行は、購入するときには支払う日本円が少しでも減る可能性がある一方で、もしその円高時に満期や解約しなければならない時が来たとしたらどうでしょう?
そうですね、その円高の相場が適用されるので、安定的に積んできた外貨を日本円にするときにはその分低く(安く)換算されてしまいます。
一般的には積んできた外貨に金利が付いているので、必ずしもマイナスになるわけではありませんが、
せっかく(為替変動のリスクを許容して)外貨で運用してきたはずのメリットを、最後の最後で失いかねないことになります。
では2)はどうか?
2)は、購入する外貨を固定(定額)ではなく、外貨を購入するために支払う日本円を固定化(定額)とする
ので、
毎月の購入時には決まった日本円の支払額に見合った分量の外貨を獲得して積み立てる
ということになります。
仮に先ほどの通り、スタート時1$=100円だったとします。
ここに毎月1万円で米ドルを購入する契約をしたとします。
すると初月は、USD100.00購入できます(=この時点では上記1)の事例と同じ結果です)
次月は1$=130円になったとすると、
購入できる外貨は
1万円÷130円≒76.92ドル
ということになります。
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すると、
上記1)では2か月でUSD200.00を獲得しましたが
この2)では2か月でUSD176.92しか獲得できていません
このように比較すると、
「1)の方が2)よりも多く外貨を獲得出来ていいじゃん!」
と見えるのですが、
支払った日本円で比較すると
1)は2万3千円
2)は2万円
となり、支払った日本円は少なくなっています。
またこのとき獲得した外貨を売却して日本円にしたとすると
1)は、USD200.00×130円=2万6千円
2)は、USD176.92×130円=2万3千円
1)2)ともに支払った日本円に対して3千円のプラスということになります
仮にこの増額分をパーセントであらわすと
1)は、(2万6千円-2万3千円)÷2万3千円×100=13.04%
2)は、(2万3千円-2万円)÷2万円×100=15.00%
たった2か月の期間なので、普段見慣れている年利換算ではありませんが、
増額額面は一緒でも、2)の方が効率的に増えていることがパーセントにするとわかります。
また3か月目に少し円高になり、1$=115円になったとしましょう。
すると
1)はUSD100.00を獲得するので、外貨購入累計はUSD300.00で、
支払った日本円累計は2万3千円+(USD100.00×115円)=3万4500円
となります
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2)はUSD86.96(≒1万円÷115円)獲得するので、外貨購入累計はUSD263.88で、
支払った日本円累計は2万円+1万円=3万円
となります。
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同じように、4か月目1$=100円、5か月目1$=90円、6か月目1$=100円
になったとすると、
(算式は省きます)
1)は外貨購入累計はUSD600.00、支払日本円累計6万3500円
2)は外貨購入累計はUSD574.99、支払日本累計6万円
この6か月目の1$=100円という、当初と同じ相場に戻った状態で売却したとすると
1)はUSD600.00×100円=6万円の戻りなので、3500円の損失
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2)はUSD574.99×100円=5万7499円の戻りなので、2501円の損失
ということになります。
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いかがでしょうか?
このように、
1)の購入する外貨額を固定化して購入する契約
よりも
2)の支払う日本円を固定化して外貨を購入する契約
の方が
円安でも円高でも、期間を長く購入を繰り返すことで
リスク軽減が図られるということがお分かりいただけると思います。
あなたの外貨建て運用のご契約、いかがですか?
ここでは金利を無視した計算結果なので、
このような急な円高進行の事例でも
必ずしも損失になっているとは言いません
(むしろ今なら急激な円安効果が働いて増えているかもしれませんが)
だけど、
仕組み上、『ドル=コスト平均法』が働いているのは 1)ではなく2)の方だ
ということをご理解いただいて
その上で今一度商品のご契約内容、見直されるのはいかがでしょうか?
あなたの外貨建て商品、
あなたが「当初思っていた」内容と合っていますか?
見直しをするのは、
金融機関の人やIFA(金融商品仲介業者)ではありません
あなた自身が気づいて問い合わせるなど
自分でなにかをやらない限り、
放置されていきます。
いかがですか?
もし気になる、この1)のような商品を持っている方
ご相談ご連絡ください!
見直しご支援申し上げます。